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MLB

「地球の70%は海。残りはベラスケスがカバーしている」エンジェルス内野陣を支える男が送った壮絶な生い立ち<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2022.06.01

無印からチームの愛され中心選手に成長したベラスケス。好守の裏にはつらい過去もあった。(C)Getty Images

無印からチームの愛され中心選手に成長したベラスケス。好守の裏にはつらい過去もあった。(C)Getty Images

 今季最多の5連敗中とはいえ、エンジェルスのここまでの戦いぶりは大健闘と言っていいだろう。昨季は故障に苦しんだマイク・トラウトが復活し、テイラー・ウォードの大ブレイクという嬉しい誤算もあった。そして、ウォード以外にも、意外な活躍を見せている男がもう一人いる。27歳の遊撃手アンドリュー・ベラスケスだ。

 ここまでの成績は126打数で打率.202、2本塁打、OPS.542と、打撃面はメジャーでも最下層に位置する。それでも、勝利貢献度bWAR1.1はチーム全体で7番目、豪腕ノア・シンダーガード(0.7)より高い。これはひとえに守備の貢献によるものだ。
「ピッチャーなら誰でも彼にショートを守ってほしいと思うよ。何ならバットを振らなくてもいい」(アーチー・ブラッドリー)、「ショートのマジシャン」(ジャレッド・ウォルシュ)とチームメイトが心の底から惚れこむ守備は、小柄(175cm、77kg)な体格に似合わずダイナミックで、しかも判断力も抜群。守備指標DRS8は全ポジションでメジャー3位に位置しており、前評判が低かった投手陣の健闘を陰で支えている。

 エンジェルスは昨オフ、ショートが補強課題の一つに挙げられていたが、カルロス・コレア(現ツインズ)ら大物選手獲得には動かなかった。当初は便利屋のデビッド・フレッチャーをあてがう予定だったが、フレッチの故障でお呼びがかかったのが、ヤンキースからウェーバーで獲得していたベラスケスだった。

 4月12日のメジャー昇格後、先の通り絶対的な守備力とハッスルプレーでチームの信頼を勝ち取ったベラスケスは、現地5月31日から行われるヤンキー・スタジアムでのヤンキース戦に臨むことになる。ブロンクス出身の彼にとっては、まさに故郷に錦を飾る舞台。だが、ここまでの道のりは決して平坦なものではなかった。

【動画】ベラスケスの“神すぎる”ファインプレー! 背面送球でピンチを救う
 
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