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プロ野球

長打力を示すISOは本塁打王の岡本以上――プロ5年目で見えつつある清宮幸太郎の確かな「成長」<SLUGGER>

新井裕貴(SLUGGER編集部)

2022.06.02

否応なく注目度は高い清宮。今年もぱっと見は“ダメ”そうな印象を持たれかねないが、随所にその資質を発揮している。写真:塚本凛平(THE DIGEST)

否応なく注目度は高い清宮。今年もぱっと見は“ダメ”そうな印象を持たれかねないが、随所にその資質を発揮している。写真:塚本凛平(THE DIGEST)

 新庄剛志が新監督に就任して以降、日本ハムへの注目度は急上昇。しかし一方で、開幕後は連敗が続き、5月を終えた段階でチームは最下位と確たる結果はまだ残せていない。そのなかで、どうしても槍玉に挙げられてしまいがちなのが、“未完の大器”清宮幸太郎だ。

 リトルリーグ時代からその名を轟かせ、早稲田実業では高校通算111本塁打の新記録を樹立。2017年のドラフトでは高校生歴代最多となる7球団が競合して日本ハムに入団した。がしかし、プロ最初の3年間で一軍での2ケタ本塁打はゼロ回。昨年は一軍昇格することなく、今年で5年目を迎えている。

 プロだから結果を残せなければ批判をされても致し方ない面はあるが、清宮へのハードルは元々の期待が高かった分だけに落胆も大きいのかもしれない。さらに、ドラフト同期で清宮の“外れ1位”だった村上宗隆(ヤクルト)が球界を代表するスラッガーへと成長したことも、周囲の失望感に拍車をかけた印象がある。

 新庄ビッグボスの発案で大減量して臨んだ今シーズンも、5月を終えて打率.226。25日のヤクルト戦ではダブルスチールでスタートが遅れ、指揮官に大激怒される一幕もあった。“表面的”には「あぁ、今年も清宮はダメだな」と思われるかもしれない。だが、よくよくデータを見ていくと、彼の成長をそこかしこに感じる。
 
 何といっても、清宮に期待したいのはパワーヒッターとしての成長だ。5月5日の楽天戦、28日の巨人戦で2打席連発と爆発力を発揮しているのは確かだが、45試合で6本塁打と、やはりまだまだ実力を発揮できているとは言い難い……ように見える。

 もっとも、そこは札幌ドームを本拠地としている点は考慮しておきたい。今シーズンは札幌ドームのフェンス直撃打が3本あり、いずれも他の球場ならスタンドインしていてもおかしくない当たりだった。実際、捉えた時の打球は凄まじく、26安打中17本が長打(二塁打10本、三塁打1本、本塁打6本)と“中身”は上々だ。

「ISO」という指標がある。長打率-打率で算出され、打者の純粋な長打力を知る上で有用なデータだが、清宮のISO.261はパ・リーグ平均(.101)を倍以上も上回り、100打席以上では両リーグ5位。セ・リーグ最多タイの15本塁打を打っている岡本和真(巨人/.241)を上回っているのだから、やはりパワーは相当なレベルと分かるだろう。
 
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