専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
プロ野球

ビッグボスのパフォーマンスが不要になる日――清宮、万波ら若手が台頭する日本ヘムの期待<SLUGGER>

出野哲也

2022.05.31

清宮(左)、万波(右)ともまだまだ粗削りだが伸びしろは十分。最近の日本ハムはかなり魅力的なチームになってきた。写真:産経新聞社

清宮(左)、万波(右)ともまだまだ粗削りだが伸びしろは十分。最近の日本ハムはかなり魅力的なチームになってきた。写真:産経新聞社

 いろいろな意味で“正常”に近づいてきたようだ。

 開幕当初から、日本ハムのビッグボス采配は奇妙奇天烈なものだった。クローザーを任せる予定のルーキーを開幕投手としてマウンドに送り、全然当たりの出ていない控え捕手を先発4番に起用、ランナー三塁の場面でヒットエンドラン敢行……。

 チーム成績にも、そんな選手たちの戸惑いが表れていたようだったが、よりオーソドックスな用兵・戦術をとり始めてからは調子も上向いている。9勝19敗と大きく負け越した3・4月から一転、5月はここまで12勝11敗と勝ち越し。最下位脱出も見えてきた。

 もう一つ正常化してきたのが、チームをめぐる報道の内容だ。開幕前、というより就任直後から、ファイターズ関連のニュースはビッグボス一色。選手にスポットライトが当たることは、北海道以外では皆無に近い印象すらあった。もともと日本のプロ野球では、必要以上に監督に目が向けられがちなのだが、それでもなお違和感を与えていた。

 だが5月に入って、少しずつ変化が生じている。4割近い高打率をキープし続ける松本剛を筆頭に、その逆に低打率でも時折ものすごい打球を飛ばし、ここ一番でも結果を出す万波中正、中継ぎとして戦力になった吉田輝星も注目を集めている。そして清宮幸太郎も、まだ物足りなさは残すものの、嵌った時の打球はさすが――と、その能力を見直され始めている。

【動画】天才スラッガーがようやく本領発揮!清宮、今季2度目の1試合2本塁打
 もっとも清宮にしろ、万波にしろ取り上げられるのは良い場面ばかりではない。5月25日のヤクルト戦では、清宮がダブルスチールに失敗。一死一・三塁での三塁走者であり、捕手が投手でなく二塁へ送球したとただちに判断できれば、セーフになるタイミングだったが、見極めが遅すぎて本塁憤死。

 本人はリクエストを望んでいたようだが、ビッグボスに拒否されたあげく「あんなミスをしたら一生、上に上がっていけない」と突き放された。作戦そのものの是非はともかく、判断が悪かったのは事実で翌日はスタメン落ち。その理由は「彼本人にも、チームにも分からせたい。引き締めるために」だった。

 万波は27日の巨人戦で、ライト前ヒットをトンネル。同点のタイムリーエラーをやらかし、試合後には悔し涙を浮かべた。その前日には、2試合続けてヤクルトにサヨナラ本塁打を打たれていた北山亘基が3連投、何とか勝ち試合の最後を締めくくって、やはり涙していた。「昨日は北山君、今日は万波君。明日は誰かな? 泣き虫集団、いいね」と指揮官は語っていた。

【関連記事】出番激減中のロッテ田村獲得、将来のため首位打者の松本放出も? 新庄ビッグボスにオススメしたい「4つのトレード案」<SLUGGER>

【関連記事】新庄日本ハムの「強み」と「弱点」。積極性が増した打線は長打力増も、先発4番手以降に課題<SLUGGER>

【関連記事】開幕1か月の「ブレイク野手」は? “4割打者”・松本は危険フラグも、三森と石川は今後も活躍をキープか<SLUGGER>
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号