6月6日に開幕する全日本大学野球選手権。ドラフト候補となる4年生にとっては大きなアピールの場であることは間違いないが、今年は例年以上に下級生にも逸材が揃っている。そこで今回は、大学選手権で注目すべき選手について「4年生」「下級生」のカテゴリー別で5人を紹介しようと思う。今回は4年生だ。
【1】金村尚真(富士大・投手)
今年の4年生投手で、最も安定感のある存在と言えばこの金村になるだろう。層の厚いチームの中で1年春から投手陣の一角に定着すると、これまでMVP、ベストナイン、最優秀防御率など数々のタイトルを獲得。3年春にはリーグ史上2人目となる完全試合も達成した。
ストレートは145キロ前後と際立ったスピードはないが抜群のコントロールを誇り、カットボールなどの変化球も一級品。1回戦はいきなり強豪・大阪商業大戦との対戦となるが、強力打線相手にどのようなピッチングを見せるか注目したい。
【2】高坂綾(千葉経済大・投手)
千葉経済大を初の全国の舞台に導いた大黒柱だ。流経大柏高時代から千葉県内では際立つ存在だったが、大学でも順調にレベルアップ。好調時のストレートは140キロ台後半をマークし、同じ軌道から鋭く変化するスライダー、カットボール、フォークなど多彩な変化球を操る。
この春は体調不良もあって苦しんだ時期もあったが、それでも5勝をマークしてMVP、最多勝、最多奪三振、ベストナインに輝いた。本来のストレートの勢いが戻れば、全国の舞台でも快投が期待できるだろう。
【3】野口泰司(名城大・捕手)
好素材の多い捕手の中でも総合的に見て一歩リードしているのが野口だ。イニング間では力を入れて投げることは少ないが、実戦ではフットワークを使った見事な送球で盗塁を阻止し、キャッチング、ブロッキングも安定している。
打撃はユリ・グリエル(アストロズ)を彷彿とした構えで日本人離れしたスタイルだが、下半身が強く広角に長打を放つ。昨年はこの大会で11打数8安打と打ちまくっており、今年も攻守にわたる活躍に期待したい。
【4】田中幹也(亜細亜大・遊撃手)
166cmと小柄ながら、抜群のスピードを生かしたプレーが光るショートストップ。守備範囲の広さはプロでも上位のレベルにあり、並の選手では追いつかない打球を軽々処理することも珍しくない。
さらに迫力があるのが走塁で、この春は1試合6盗塁のリーグタイ記録もマークした。思い切りの良いスタート、走塁の判断、加速するようにすら見えるスライディング技術は大学球界全体でもトップクラスである。出塁した時にはその走塁にぜひ注目してもらいたい。
【5】杉澤龍(東北福祉大・外野手)
東北大学球界を代表する強打の外野手。今年の春は持ち味のミート力に加えて長打力もアップし、打率.550、4本塁打、14打点と圧倒的な成績で三冠王、リーグMVPにも選ばれた。
ゆったりとタイミングをとって長くボールを見ることができ、緩急への対応力が高い。またスウィングの軌道も安定しており、広角に打てるのも魅力だ。センターから見せる強肩も高レベルで、打てる外野手が欲しい球団にとっては狙い目の選手となるだろう。
【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間約300試合を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。
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【1】金村尚真(富士大・投手)
今年の4年生投手で、最も安定感のある存在と言えばこの金村になるだろう。層の厚いチームの中で1年春から投手陣の一角に定着すると、これまでMVP、ベストナイン、最優秀防御率など数々のタイトルを獲得。3年春にはリーグ史上2人目となる完全試合も達成した。
ストレートは145キロ前後と際立ったスピードはないが抜群のコントロールを誇り、カットボールなどの変化球も一級品。1回戦はいきなり強豪・大阪商業大戦との対戦となるが、強力打線相手にどのようなピッチングを見せるか注目したい。
【2】高坂綾(千葉経済大・投手)
千葉経済大を初の全国の舞台に導いた大黒柱だ。流経大柏高時代から千葉県内では際立つ存在だったが、大学でも順調にレベルアップ。好調時のストレートは140キロ台後半をマークし、同じ軌道から鋭く変化するスライダー、カットボール、フォークなど多彩な変化球を操る。
この春は体調不良もあって苦しんだ時期もあったが、それでも5勝をマークしてMVP、最多勝、最多奪三振、ベストナインに輝いた。本来のストレートの勢いが戻れば、全国の舞台でも快投が期待できるだろう。
【3】野口泰司(名城大・捕手)
好素材の多い捕手の中でも総合的に見て一歩リードしているのが野口だ。イニング間では力を入れて投げることは少ないが、実戦ではフットワークを使った見事な送球で盗塁を阻止し、キャッチング、ブロッキングも安定している。
打撃はユリ・グリエル(アストロズ)を彷彿とした構えで日本人離れしたスタイルだが、下半身が強く広角に長打を放つ。昨年はこの大会で11打数8安打と打ちまくっており、今年も攻守にわたる活躍に期待したい。
【4】田中幹也(亜細亜大・遊撃手)
166cmと小柄ながら、抜群のスピードを生かしたプレーが光るショートストップ。守備範囲の広さはプロでも上位のレベルにあり、並の選手では追いつかない打球を軽々処理することも珍しくない。
さらに迫力があるのが走塁で、この春は1試合6盗塁のリーグタイ記録もマークした。思い切りの良いスタート、走塁の判断、加速するようにすら見えるスライディング技術は大学球界全体でもトップクラスである。出塁した時にはその走塁にぜひ注目してもらいたい。
【5】杉澤龍(東北福祉大・外野手)
東北大学球界を代表する強打の外野手。今年の春は持ち味のミート力に加えて長打力もアップし、打率.550、4本塁打、14打点と圧倒的な成績で三冠王、リーグMVPにも選ばれた。
ゆったりとタイミングをとって長くボールを見ることができ、緩急への対応力が高い。またスウィングの軌道も安定しており、広角に打てるのも魅力だ。センターから見せる強肩も高レベルで、打てる外野手が欲しい球団にとっては狙い目の選手となるだろう。
【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間約300試合を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。
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