[プレミア12|決勝]日本5-3 韓国/11月17日/東京ドーム
10年ぶりの歓喜が、興奮が、東京ドームを、日本を包んだ。
侍ジャパンは17日、"2日連続"で宿敵・韓国と対戦し、5対3で勝利した。2009年の第2回WBCで同じ韓国を下して以来、実に10年ぶりの国際大会での優勝。15年のプレミア12・準決勝で苦杯をなめた相手にリベンジを果たし、同大会で初の頂点に立った。
プロローグは最悪だった。先発を任された山口俊(巨人)は初回、制球が定まらず先頭打者を四球で出すと、2番のキム・ハソンに技ありの2ラン。さらに5番打者にも一発を浴びてまさかの3失点KOとなった。
気落ちを隠せない東京ドームに詰めかけた満員のファン。しかし、日本には頼りになる男がいる。大会3冠王の4番・鈴木誠也(広島)がレフトフェンス直撃の二塁打を放ち、四球で出塁した坂本勇人(巨人)を生還させて即座に1点を返した。
さらに2回、2死後に四球と安打でチャンスを作ると、打席には1番・山田哲人(ヤクルト)。カウント2-2から、相手エースのヤン・ヒョンジンの決め球チェンジアップ、スライダーを4球ファウルで粘ると8球目。内角低めの速球を一閃。打った瞬間それと分かる打球は左中間スタンドに突き刺さり、日本は4対3と試合を一気にひっくり返した。
その後、日本は再三チャンスを作るもあと一本が出ない嫌な展開だったが、高橋礼(ソフトバンク)の後を継いだ田口麗斗&中川皓太の巨人のレフティコンビが4~6回をゼロに封じて流れを渡さない。7回には今大会いまだノーヒットの甲斐野央(ソフトバンク)がマウンドへ。最速158kmの剛球を武器に韓国打線をねじ伏せ、大会通算成績を5.0回無安打7奪三振と素晴らしい活躍で終えた。
甲斐野が作った流れは攻撃陣に波及し、先頭の坂本があわや本塁打という左翼フェンス直撃の二塁打。2死後、5番・浅村栄斗(楽天)が彼らしい逆方向へのタイムリーを放って、待望の追加点をもたらした。8回は山本由伸(オリックス)が8球で三者凡退。145km超のフォークで2三振を奪った。
9回、『ヤスアキ・ジャンプ』に東京ドームが揺れる。侍ジャパンの絶対的守護神・山﨑康晃(DeNA)がマウンドに上がり、声援をあとに無失点ピッチング。エピローグは静かに、いや最高の熱を帯びて締めくくられた。日本は5対3で勝利し、悲願の大会初優勝。山﨑が最後のアウト取った瞬間、稲葉篤紀監督は緊張から解放されたように涙があふれていた。
来年の東京五輪に向けて、稲葉ジャパンの視界は良好だ。8ヵ月後、再び金メダルを首から下げる侍ナインの姿が待ち遠しい。
構成●新井裕貴(SLUGGER編集部)
【侍ジャパン PHOTO】10年ぶりの世界一!歓喜に湧く選手たちの笑顔、表彰式の様子をお届け!
10年ぶりの歓喜が、興奮が、東京ドームを、日本を包んだ。
侍ジャパンは17日、"2日連続"で宿敵・韓国と対戦し、5対3で勝利した。2009年の第2回WBCで同じ韓国を下して以来、実に10年ぶりの国際大会での優勝。15年のプレミア12・準決勝で苦杯をなめた相手にリベンジを果たし、同大会で初の頂点に立った。
プロローグは最悪だった。先発を任された山口俊(巨人)は初回、制球が定まらず先頭打者を四球で出すと、2番のキム・ハソンに技ありの2ラン。さらに5番打者にも一発を浴びてまさかの3失点KOとなった。
気落ちを隠せない東京ドームに詰めかけた満員のファン。しかし、日本には頼りになる男がいる。大会3冠王の4番・鈴木誠也(広島)がレフトフェンス直撃の二塁打を放ち、四球で出塁した坂本勇人(巨人)を生還させて即座に1点を返した。
さらに2回、2死後に四球と安打でチャンスを作ると、打席には1番・山田哲人(ヤクルト)。カウント2-2から、相手エースのヤン・ヒョンジンの決め球チェンジアップ、スライダーを4球ファウルで粘ると8球目。内角低めの速球を一閃。打った瞬間それと分かる打球は左中間スタンドに突き刺さり、日本は4対3と試合を一気にひっくり返した。
その後、日本は再三チャンスを作るもあと一本が出ない嫌な展開だったが、高橋礼(ソフトバンク)の後を継いだ田口麗斗&中川皓太の巨人のレフティコンビが4~6回をゼロに封じて流れを渡さない。7回には今大会いまだノーヒットの甲斐野央(ソフトバンク)がマウンドへ。最速158kmの剛球を武器に韓国打線をねじ伏せ、大会通算成績を5.0回無安打7奪三振と素晴らしい活躍で終えた。
甲斐野が作った流れは攻撃陣に波及し、先頭の坂本があわや本塁打という左翼フェンス直撃の二塁打。2死後、5番・浅村栄斗(楽天)が彼らしい逆方向へのタイムリーを放って、待望の追加点をもたらした。8回は山本由伸(オリックス)が8球で三者凡退。145km超のフォークで2三振を奪った。
9回、『ヤスアキ・ジャンプ』に東京ドームが揺れる。侍ジャパンの絶対的守護神・山﨑康晃(DeNA)がマウンドに上がり、声援をあとに無失点ピッチング。エピローグは静かに、いや最高の熱を帯びて締めくくられた。日本は5対3で勝利し、悲願の大会初優勝。山﨑が最後のアウト取った瞬間、稲葉篤紀監督は緊張から解放されたように涙があふれていた。
来年の東京五輪に向けて、稲葉ジャパンの視界は良好だ。8ヵ月後、再び金メダルを首から下げる侍ナインの姿が待ち遠しい。
構成●新井裕貴(SLUGGER編集部)
【侍ジャパン PHOTO】10年ぶりの世界一!歓喜に湧く選手たちの笑顔、表彰式の様子をお届け!