「試合に出るための手段の一つという考え方ですね」
おそらく2013年以前の球界であれば考えられないことだっただろう。
コンバートではなく2つを同時にやる――。大谷翔平が成功させた二刀流は、次なる挑戦者を生み出している。日本ハムの上原健太やドラフト候補の矢澤宏太(日体大)など、どれも大谷ほどのスケールはないにしても、片方に絞るのではなく、投打両方で才能を発揮させるという点で大谷がもたらした功績は大きい。
大谷が日本ハムに入団した2013年当時、大きな批判を浴びながらも壮大な計画を首謀した日本ハムのスカウト部長・大渕隆氏はこんな話をしていたものだった。
「二刀流、二刀流って言われますけど、彼の持っている能力を考えると、選択肢を狭めないようにすることがまず大事なんです。投打両方に魅力があるわけですから、入り口を広くしておこうということです」
そこで、今、日本で新たな二刀流候補として注目され始めているのが、中日の根尾昂である。
5月21日の広島戦でプロ初登板を果たすと、交流戦に入って29日のオリックス戦でもマウンドに上がった。ともに、ストレートの最速は150キロを計測。投手として可能性を感じさせた登板と言える。
もともと、大阪桐蔭高校時代から投打に能力を発揮してきた選手だった。春夏連覇を含めて3度の全国制覇を経験しているが、うち2度、胴上げ投手となっている。決勝戦での打順は2年春こそ途中出場だが、3年春と夏は5番を務めていた。
プロ入り後、どちらをやるか注目された根尾だが、遊撃手としての道を選んでいた。
しかし、高校時代ほど攻守ともに輝きを見せることはできなかった。遊撃手としての安定感は京田陽太に劣り、バッティングはまだまだ一軍レベルにない。それでも、出場機会を求めて外野手として出場。肩の強さ、スローイングの安定性から一軍の戦力にはなれていた。
今年開幕前には内野手から外野手登録に変更。京田の不調で再び遊撃手の練習を再開したが、スタメンを務めるほど信頼感を得られておらず、その中で投手としての出場も果たすことになったのだ。
おそらく2013年以前の球界であれば考えられないことだっただろう。
コンバートではなく2つを同時にやる――。大谷翔平が成功させた二刀流は、次なる挑戦者を生み出している。日本ハムの上原健太やドラフト候補の矢澤宏太(日体大)など、どれも大谷ほどのスケールはないにしても、片方に絞るのではなく、投打両方で才能を発揮させるという点で大谷がもたらした功績は大きい。
大谷が日本ハムに入団した2013年当時、大きな批判を浴びながらも壮大な計画を首謀した日本ハムのスカウト部長・大渕隆氏はこんな話をしていたものだった。
「二刀流、二刀流って言われますけど、彼の持っている能力を考えると、選択肢を狭めないようにすることがまず大事なんです。投打両方に魅力があるわけですから、入り口を広くしておこうということです」
そこで、今、日本で新たな二刀流候補として注目され始めているのが、中日の根尾昂である。
5月21日の広島戦でプロ初登板を果たすと、交流戦に入って29日のオリックス戦でもマウンドに上がった。ともに、ストレートの最速は150キロを計測。投手として可能性を感じさせた登板と言える。
もともと、大阪桐蔭高校時代から投打に能力を発揮してきた選手だった。春夏連覇を含めて3度の全国制覇を経験しているが、うち2度、胴上げ投手となっている。決勝戦での打順は2年春こそ途中出場だが、3年春と夏は5番を務めていた。
プロ入り後、どちらをやるか注目された根尾だが、遊撃手としての道を選んでいた。
しかし、高校時代ほど攻守ともに輝きを見せることはできなかった。遊撃手としての安定感は京田陽太に劣り、バッティングはまだまだ一軍レベルにない。それでも、出場機会を求めて外野手として出場。肩の強さ、スローイングの安定性から一軍の戦力にはなれていた。
今年開幕前には内野手から外野手登録に変更。京田の不調で再び遊撃手の練習を再開したが、スタメンを務めるほど信頼感を得られておらず、その中で投手としての出場も果たすことになったのだ。