プロ野球

【パ・リーグ6球団交流戦通信簿】同じ勝率でも日本ハムとオリックスは明暗分かれる。リーグ最高勝率のロッテの評価は?<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2022.06.14

負け越したとはいえ多くの若手が伸びしろを示した日本ハム。ビッグボスも笑顔を見せることが多かった。写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)


 6月12日、プロ野球交流戦は全日程を終了した。パ・リーグ6球団の戦いぶりを通信簿形式で査定していこう。

※「よくできました」「まずまずです」「可もなく不可もなく」「がんばりましょう」の4段階で評価

▼ロッテ
評価:まずまずです
10勝8敗 勝率.556(3位) 66得点/59失点 得失点差:+7

 6月4日までは4勝7敗だったが最後の7試合で6勝1敗と成績を伸ばし、パ・リーグでは唯一勝ち越しに成功。特に先発投手陣は18試合中11試合でクォリティ・スタート(QS)を記録するなど安定化委を見せた。石川歩は3先発で3QS、ロメロも2先発いずれも6回以上&無失点。注目の佐々木朗希が投げた3試合で全敗したにもかかわらずとトータルで勝ち越したのも、他の投手の踏ん張りがあったからこそだ。

 また、交流戦前は45試合で21本塁打とパワー不足に苦しんでいた打線が18試合で17本塁打と復調の兆しを見せたのも大きい。レアード、マーティンの両助っ人はもちろん、安田尚憲や山口航輝といった若手スラッガーに当たりが出てきたのも好材料だ。リーグ順位はまだ5位だが4位のオリックスとはゲーム差なし、3位西武とも1ゲーム差で、今後の上昇に期待が集まる。
 
▼ソフトバンク
評価:可もなく不可もなく
9勝9敗 勝率.500(4位タイ) 68得点/45失点 得失点差:+23

 得失点差+23は優勝したヤクルト(+27)、阪神(+24)に次ぐ数字だったにもかかわらず勝率5割に終わった。ヤクルトとの最終カードを迎えた時点では9勝6敗で優勝の可能性も残っていたが、あえなく3連敗。村上宗隆の3発を含む5本塁打を浴び、打線も最終戦で完封負けを喫するなど完敗した。

 チーム防御率2.52は3位、打率.267は1位と投打のバランスは決して悪くなかった。先発・リリーフともに防御率2点台と投手陣全体が奮闘し、打線も主に2番に座った牧原大成は交流戦2位の打率.383と着実にチャンスを作った。ただ、昨年の交流戦では打ちまくっていた柳田悠岐が今季はOPS.584とまったく元気がなく、打線全体も11本塁打とパワー不足に苦しんだ。17日からは楽天との首位攻防戦が始まるだけに、主砲の復調が待たれる。

▼西武
評価:可もなく不可もなく
9勝9敗 勝率.500(4位タイ) 69得点/55失点 得失点差:+14

 6月1日から5連敗を喫するなど波の大きい戦いぶりだったが、何とか勝率5割でフィニッシュ。オリックスの低迷にも助けられ、リーグ順位も3位まで浮上した。

 打線は12球団2位の20本塁打を量産。パ・リーグ本塁打王争いでトップを走る山川穂高は、交流戦でも2位タイの6本を量産。新外国人オグレディも、さまざまな打順で起用されながら5本塁打、最終戦では1試合2発を放つなど調子を上げ、69得点は日本ハムと並んで2位タイだった。

 先発投手陣は6イニング以上投げたのが18試合中7度だけだったが、ブルペンが防御率1.48(3位)と大健闘。クローザーの増田達至やセットアップの平良海馬に加え、水上由伸、佐々木健、ボー・タカハシと5試合以上に登板して無失点の投手が実に5人を数えた。
 
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負け越しはしたが収穫が多かった日本ハム