プロ野球

沖縄に新球団誕生! DeNA出身の球団社長が目論む新規参入への青写真

岩国誠

2019.11.19

琉球ブルーオーシャンズの監督を務める清水直行氏。果たしてどんなビジョンを抱いているのか。撮影:岩国誠

『世界野球プレミア12』で初優勝を遂げた日本。「野球の国」に新たな歴史が刻まれようとしている。

 9球団が春季キャンプを行う沖縄の地に、新たな"プロ野球球団"が誕生する。

「琉球ブルーオーシャンズ」

「エクスパンション(球団拡張)時のNPB新規参入」を目標に掲げ、今年7月に創設。元横浜DeNAの投手で現役引退後、ビジネスの世界に飛び込んだ小林太志氏(36歳)が球団社長に就任。リーダーとなって、新チームの立ち上げに奔走している。
 
「プロ野球球団を持ちたい」

 昨年7月、ZOZOTOWNの創業者である前澤友作氏のツイッターでの投稿でも話題にもなったエクスパンション(球団拡張)。
「現時点では新規参入はない」というのがNPB側のスタンスだが、夢の話ではないとNPB側とのやり取りの中で手応えを感じたと小林は言う。

「『球団を立ち上げます』という報告にうかがったった際、NPBにお会いしていただいたんですけど、否定されませんでした。この否定をされなかったことが重要なことと自分では思っています。将来的なエクスパンションを見据えた時、真っ先に声をかけてもらえればと」。

 球団新設の地に沖縄を選んだ理由は、小林氏がDeNA在籍時に春季キャンプで訪れた宜野湾での体験が基となっている。

「子供たちの能力が高いなと感じました。野球教室をやっても、学ぶ姿勢というか、どんどんハングリーに聞いてきていた。それで『沖縄にはもっと可能性があるんじゃないか』と思っていました。あと、沖縄出身の選手もどんどん出てきていますので、『沖縄に球団を作ったら面白いんじゃないか』と。」

 もちろん理由はそれだけではない。

「沖縄は経済的にも注目されているエリア。進出企業も多いですし、人口も増加している日本でも特異な地域なんです。インバウンド(訪日外国人旅行者)もありますので、沖縄の企業のほか、沖縄への新規参入企業がスポンサーについてくれるなど、他の地域より資金面でも良いと思っています」

 人材と経済、その両面で感じる将来性に新球団の勝算を見出している。実際、記者会見時の背景にあったパネルに広告がつくなど、徐々にスポンサーも集まってきていると小林氏は言う。
 
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