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大谷翔平のMVP獲得に米記者が独自見解。「多くの人が“落ち目だ”と考えるような年」でも“可能性”が消えない理由

THE DIGEST編集部

2022.06.24

先のロイヤルズ戦で異次元の活躍を見せた大谷。その投打での異次元の活躍には米記者からも惜しまない賛辞が送られている。(C)Getty Images

 ロサンゼルス・エンジェルスの大谷翔平がまた新たな歴史を刻んだ。

 現地時間6月22日、本拠地で行なわれたカンザスシティ・ロイヤルズ戦に「2番・DH兼投手」で先発出場した大谷は、8回(108球)、2安打無失点、キャリア最多の13奪三振をマーク。チームを勝利に導くとともに自身の6勝目を挙げた。その前日には同カードで2本の3ランホームランを含む4打数3安打8打点と大活躍。2日間に渡り、メディアやファンが舌を巻くパフォーマンスを見せた。

 背番号17が見せつけた連日の偉業に対しては、「ベーブ・ルースでさえ、オオタニがこの二晩で達成したことを成し遂げなかった」「オオタニはメジャー史上最も偉大な選手だ」など、国内外のメディアから賛辞が相次いだ。

 そんななか、米スポーツ専門メディア『The Sporting News』のケビン・スカイバー記者は「ヤンキースのアーロン・ジャッジはまだMVP受賞の有力候補で、彼はその検討に値する。しかし、ショウヘイ・オオタニも背後でペースを上げている」と大谷のMVP獲得を示唆した。

 では、大谷のアメリカン・リーグMVPの可能性は、本当に残されているのか。
 
 まずは、満票でMVPを獲得した昨季の成績を見てみよう。打者として155試合に出場し、打率.257、出塁率.372、長打率.592、46本塁打、100打点、103得点、26盗塁、OPS.965。投げても130回1/3で自己最多の9勝(2敗)、防御率3.18、156奪三振という見事なスタッツをマークし、二刀流で球界を席巻した。

 一方で現時点の今季成績は打率.260、OPS.822と昨季には及ばないものの、防御率は2.90と昨季を上回っており、この2日間で一気にMVPの方向に向かったのは確かだと言えるのではないだろう。

 大谷のMVP獲得は昨年ほど簡単ではないとも言える。「エンジェルスの苦闘は続いているが、オオタニは野球で最も興味をそそるアスリートであり続けている」と記した同記者が「ア・リーグMVP最有力候補」として名を挙げたアーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)の23日時点での打撃成績は打率.304、22本塁打、54打点、OPS.1037と図抜けている。

 さらにヒューストン・アストロズのヨルダン・アルバレスも打率.317、27本塁打、53打点、OPS.1071、大谷の同僚でもあるマイク・トラウトは打率.284、21本塁打、43打点、OPS.1025で、MVPの圏内にいると言っていい。昨季と同様、あるいはそれ以上にライバルは多いのだ。
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大谷がたった2試合で成し遂げた史上初の記録とは?