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プロ野球

【2019総括・西武】主力流出も驚異的な攻撃力でリーグ連覇。CS敗退で見えた選手層の薄さ解消へ若手育成のビジョンが不可欠

中島大輔

2019.11.27

首位打者とMVPに輝いた森。捕手でありながら打線の中心としてもチームを牽引した。写真:徳原隆元(THE DIGEST写真部)

首位打者とMVPに輝いた森。捕手でありながら打線の中心としてもチームを牽引した。写真:徳原隆元(THE DIGEST写真部)

▶2019 収穫と誤算
 菊池雄星(マリナーズ)、浅村栄斗(楽天)、炭谷銀仁朗(巨人)と投打の主力がFAで抜けた2019年シーズン、リーグ連覇を果たしたのは見事だった。

 捕手の森友哉が攻守でチームを引っ張り、山川穂高と秋山翔吾は前年より状態が劣る中でもそれぞれ本塁打と最多安打のタイトルを獲得、源田壮亮と外崎修汰は成長した姿を見せ、36歳の中村剛也は打点王&キャリアハイの打率(.286)を残した。

 投手陣がリーグワーストの防御率4.35と苦しんだ中でも優勝できたのは、打線の奮闘に尽きる。「去年の5月の段階で、打って勝つのがうちのチームのカラーなんだと認識したんだと思います」と秋山が話したように、点を取られてもそれ以上に取る戦い方が野手陣に浸透した。
 
 しかし、それでもCSを勝ち抜くことはできなかった。チームの屋台骨がしっかりしてきた一方、辻発彦監督が「選手層」をソフトバンクに敗れた要因に挙げたように、戦力が足りなかった。
 
 問題はなぜ、CSで駒不足に陥ったかだ。

 投手陣では、シーズン途中までセットアップの平井克典を5、6点リードの場面でも投げさせて大事な終盤戦に向けて不必要な疲労を蓄積させたのと同時に、他の投手から勝ちゲームで投げる機会を奪う形になった。野手では愛斗、鈴木将平ら期待の若手が外野でそれなりにチャンスを与えられたものの、打率.220に終わった木村文紀を脅かすことができなかった。

 なぜ、若手が思うように伸びていないのだろうか。
 
 指揮官が敗因として「選手層」を真っ先に挙げたことを、果たして球団としてどう受け止めるのか。長らく1番としてチームを牽引してきた秋山のメジャー流出が濃厚な来季へ向け、重要な課題が残った。

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