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MLB

「どれだけ野球が変わるか」大谷翔平の女房役がロボット審判に懸念。「僕らが磨いた芸術が奪われる」と本音も吐露

THE DIGEST編集部

2022.07.03

大谷(右)を巧みなキャッチングとブロッキングでリードするスタッシ(左)。このフレーミングの“マジシャン”にとって、新たな判定システムは死活問題と言えるかもしれない。(C)Getty Images

大谷(右)を巧みなキャッチングとブロッキングでリードするスタッシ(左)。このフレーミングの“マジシャン”にとって、新たな判定システムは死活問題と言えるかもしれない。(C)Getty Images

 今季の野球界は何かと球審のジャッジが物議を醸している。とくに試合中継内でストライクゾーンが可視化されているメジャーリーグでは、SNSなどで日々話題となって、炎上の“火種”となる。それによって審判への批判も少なくない。

 そんななかで、問題の解決になり得る決定が下された。現地時間6月30日に、MLBコミッショナーであるロブ・マンフレッドが、2024年シーズンから『ロボット審判』を導入すると発表したのだ。

 数年前から提携先の独立リーグで『Automated Ball Strike System』、いわゆる『ロボット審判』を導入しているメジャーは、電子機器による判定を試行。今季からはマイナーリーグでも取り入れられていたのだが、ついに球界最高峰の舞台でも本格的に導入される運びとなった。

 無論、判定に正確性が生まれるため、米メディアや識者の反応は良好ではある。一方で、現役選手たちには、ロボット審判の導入に異を唱える者もいる。ロサンゼルス・エンジェルスで正捕手を務めるマックス・スタッシもそのうちのひとりで、地元紙『Orange County Register』などの取材で「キャッチャーっていうポジションの在り方が完全に変わってしまう」と懸念を口にする。
 
 チームメイトでもある大谷翔平とバッテリーを組む機会も多い31歳は、“マジシャン”と形容されるほどにフレーミング(捕手がゾーンぎりぎりのボール球を、球審にストライクとさせる技術)に長けている。ゆえにロボット審判がジャッジを下すようになれば、彼のプレースタイルも少なからず変化を求められるというわけだ。

 新たな判定システムの導入について「どれだけ野球が変わってしまうかを誰も気づいていないと思う」と語るスタッシは、「捕るだけなら送球動作を最優先に考えなきゃいけないから捕り方もそうだし、道具も変わる。あとはピッチャーのピッチングも変わってくる」と指摘。そして、“本音”を打ち明けている。

「今はまだマイナーで実用されているだけだから、そこまで気にかけてもいないんだと思う。それに僕らが磨いてきたキャッチングの芸術性ってものが奪われるよね」

 24年までにメジャーの舞台でも試験的な運用がされていくというロボット審判。スタッシが懸念するように、捕手の役割も変えてしまうであろう新システムの導入には、しばらく賛否両論が巻き起こりそうだ。

構成●THE DIGEST編集部

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