プロ野球

【2022ドラフト候補ランキング|21~30位】智弁和歌山・武元、“菊池2世”の田中らが「圏外」から上位へ<SLUGGER>

西尾典文

2022.07.08

夏本番前のドラフト候補ランキングは? 大阪桐蔭の連勝を止めた武元や好守の田中ら高校生が急浮上。写真:塚本凛平(THE DIGEST)

 前回は1月1日に公開した2022年ドラフト候補ランキング。今年のドラフトは、高校、大学、社会人とも絶対的な目玉は不在と言われているが、春のシーズンに大きくアピールした選手も少なくなかった。今回は高校野球の地方大会が本格化する前の段階でランキングを作成。ここでは21~30位の選手を紹介する。

▼21位:武元一輝[投手・智弁和歌山](前回順位:圏外)
(たけもと・いつき/右投左打)
 攻守にスケールの大きさが魅力の大型右腕。昨年夏の甲子園でも1イニングの登板ながら148キロをマークして注目を集めた。秋は不安定でチームも早々に敗れたものの、この春はコントロール、変化球が大きく成長。近畿大会では大阪桐蔭高の公式戦連勝を止める好投も見せている。まだ粗削りだが、ポテンシャルの高さは今年の高校生投手で1、2を争う存在であり、左打席から楽々とスタンドに放り込む長打力も大きな魅力だ。
●タイプ診断:#素材◎ #二刀流

▼22位:吉野光樹[投手・トヨタ自動車](前回順位:圏外)
(よしの・てるき/右投右打/九州学院高→上武大)
 この春大きく評価を上げてきた社会人右腕。大学では故障に苦しみ、社会人1年目も公式戦での登板機会は少なかったが、今年は層の厚い投手陣の中でエースへと成長を果たした。すべてのボールをしっかりと操ることができ、最速150キロの速球も数字以上の威力を感じる。都市対抗予選では圧巻の投球でチームの代表権獲得に大きく貢献。本大会でも同様の投球ができれば上位指名も見えてくるだろう。
●タイプ診断:#即戦力候補 #赤丸急上昇
 
▼23位:益田武尚[投手・東京ガス](前回順位:12位)
(ますだ・たけひさ/右投右打/嘉穂高→北九州市立大)
 高校時代から評判の最速153キロ右腕。大学卒業時には指名がなく東京ガスに進むこととなったが、1年目から都市対抗の初戦で先発を任せられると、150キロ台のストレートを連発してスカウト陣を驚かせた。その後の準々決勝でわき腹を痛めて緊急降板となり、今年はチームが前年優勝によって予選免除となったことで短いイニングでの登板が続いているが、順調な回復ぶりを見せている。本大会での完全復活に期待したい。
●タイプ診断:#都市対抗優勝 #先発タイプ

▼24位:田中幹也[遊撃手・亜細亜大](前回順位:圏外)
(たなか・みきや/右投右打/東海大菅生高)
 抜群の守備範囲の広さと走塁センスが光るショート。三遊間、二遊間を抜けそうな打球に楽々と追いつくことができ、その動きは菊池涼介(広島)を彷彿とさせるものがある。走塁に関してはプロでもなかなかいないレベルで、この春は1試合6盗塁もマーク。大学選手権ではMVPにも輝いた。潰瘍性大腸炎を抱えているのは不安要素だが、守備・走塁と2つの大きな武器があるだけに、高く評価する球団も多いはずだ。
●タイプ診断:#忍者 #守備名人

▼25位:高野脩汰[投手・日本通運](前回順位:29位)
(たかの・しゅうた/左投左打/出雲商高→関西大)
 社会人のサウスポーでは長谷部銀次(トヨタ自動車)と並んで注目を集めている存在。豪快な腕の振りが魅力で、関西大では森翔平(広島)と二枚看板として活躍し、明治神宮大会でも好投を見せた。真上から腕が振れ、ボールの角度は抜群。ストレートも140キロ台後半をマークする。昨年は大事な試合での登板は少なかったが、今年は都市対抗予選でも好投を見せた。
●タイプ診断:#豪快な腕の振り