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MLB

大谷翔平の未来はどこへ。“小さくないリスク”を冒すのは「ビジョンが全くない」と糾弾されるエンジェルスか、新球団か

THE DIGEST編集部

2022.07.05

常にチームとしての勝利を求めてきた大谷。はたして、彼が見据える未来とは?(C)Getty Images

常にチームとしての勝利を求めてきた大谷。はたして、彼が見据える未来とは?(C)Getty Images

「エンジェルスというチームは、なんというか見ていてとてもイライラするチームだ」

 これは現地時間7月3日に、MLBの公式ネットワーク番組『MLB Tonight』に出演した元コロラド・ロッキーズGMのダン・オダウト氏が語った言葉だ。

 そう辛辣に締めくくられるほど、いまのロサンゼルス・エンジェルスのパフォーマンスは低調。現地時間7月1日から行なわれたヒューストン・アストロズとの3連戦はまさにそれを物語る散々な内容だった。

 このカードでエンジェルスは21失点を喫して3連敗となったのだが、その間にわずか8安打に抑えられた打線は48三振を記録。これはアストロズの分析が成せる業でもあるが、やはりビジターチームの深刻な打撃不振が主因と言わざるを得ないだろう。

 アメリカン・リーグ西地区では、首位のアストロズに15.5ゲーム差をつけられての4位に沈み、最大11もあった貯金は気づけば借金に様変わり。いまや「7」にまで増えてしまっている。

 この芳しくない状況にも騒がれているのが、チーム屈指のタレントである大谷翔平の動向だ。2023年シーズンで現行契約が切れる27歳は、早くもFA(フリーエージェント)後に予想される大型契約の行方が注目されている。
 
 エンジェルスからすれば、国際市場における存在価値を考えても、是が非でも残したいところではあるだろう。だが、すでにマイク・トラウトとアンソニー・レンドーンと大型契約を締結させている彼らにとって、7年総額2億4500万ドル(約330億円)はくだらないと予想される新契約は、小さくないリスクが伴うのだ。

 もっとも、すでに大谷に対して水面下では他球団によるスカウティングが進んでいるとされている。中南米の野球情報を中心に発信している米メディア『El Fildeo』は、「ショウヘイ・オオタニがやっていることはベーブ・ルース以来のことであり、現代では誰も出来ない。ゆえに彼が今や野球界で最大の価値を持つ男だ」としたうえで、「全30球団がオファーをする可能性だってある」と伝えている。

 まさに球団の未来を変えてしまうメガオファーを必要とする大谷。それだけに、契約に名乗りを上げる球団には、何よりも明確なビジョンが必要となる。冒頭に登場したオダウト氏も、それを裏付けるようにエンジェルスの現状を腐している。

「私が分析をする際は、そのチームの『アイデンティティー』を探そうとする。それこそがチームの真の姿だからだ。ハッキリとしたビジョンがあって、それを基にドラフトや国際市場、そしてトレードやFAで獲得する選手を絞るんだ。だが、エンジェルスにはアイデンティティーが全くない。今のエンジェルスは『ここが良い』ってとこが全くないんだ。だから、私を含めて周りもイライラするんじゃないかな」

 はたして、エンジェルスは“リスク”を冒してでも大谷を残しにいくのか。今冬の移籍市場でのトレードも囁かれる球界屈指の偉才の未来は、いったいどこで築かれるのか。その去就は奇しくもチームの不振によって騒がしくなっている。

構成●THE DIGEST編集部

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