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プロ野球

引退からの復帰で日本へ! NPBの起爆剤になり得るデイビッド・ペレズはダルビッシュ有との関係も【BC茨城・2人の剛腕ドミニカン:前編】

岩国誠

2022.07.09

ペレズはマイナー8年間で121試合に投げ、303イニングで318三振を奪っている。剛速球を武器に高い奪三振能力を誇る。写真:著者提供

ペレズはマイナー8年間で121試合に投げ、303イニングで318三振を奪っている。剛速球を武器に高い奪三振能力を誇る。写真:著者提供

 プロ野球ペナントレースも残り半分を切った。勝負をかける後半戦へ向け、6月27日には広島が秋山翔吾と契約。巨人も7月5日にメジャー243登板のリリーフ左腕イアン・クロールを獲得するなど、巻き返しへ向け、各球団が国外からの戦力補強に動いている。

 だが、実は国内に起爆剤になり得る選手がいることはご存知だろうか。その名はデイビッド・ペレズ。BCリーグ、茨城アストロプラネッツに今年5月から加入したドミニカ共和国出身の快速右腕だ。

 ペレスの最大の武器は、196cmの長身から投げ下される剛速球だ。7月6日に西武二軍と対戦した際は、自身最速となる161キロを計測した。7月8日現在で14試合に登板し、15回2/3で25奪三振。奪三振率は14.36。数字だけを比較すれば、現在NPBのリリーフで奪三振率トップの松井裕樹(楽天/14.33)と比べても遜色ない。

 その他にも、150キロ前後のカットボールに加え、140キロ台のスライダーとスプリットを操る。全試合でペレズのボールを受けている茨城の佐久田英尚捕手は、こうその凄みを語る。

「ストレートに近い球速帯でくるカットボールで、打者を詰まらせることもできるし、スライダーとスプリット、いずれもベース板に来ます。来日当初は、日本のストライクゾーンと、柔らかいマウンドに苦労していたところがありましたが、ゆったりしたフォームからズドンとくるストレートで空振り、ファウルが取れますし、変化球でも打ち取ることができる。打たれる感じがしないです」
 
 ペレズの経歴は少しユニークだ。2010年、19歳でレンジャーズと契約。ルーキーリーグでキャリアをスタートさせた1年目は、14試合に先発して防御率1.41と好成績を収め、期待の有望株と目されていた。しかし、その後は伸び悩んだ。17年にはエンジェルスへ移籍するも1年で退団し、コーチへと転身している。

 だが、20年から指導にあたっていたパイレーツの球団関係者が、練習で投げるペレズの投球に驚き、交流のあった茨城の色川冬馬GMに紹介したことがきっかけで、選手として来日する運びとなった。

 指導者として活動する間も、「自分は引退した」という感覚はなかったと語るペレズ。コーチを務めていたこの4年間も、野球と向き合う姿勢は変わらなかったという。

「人に教えることで、自分も色々なことを学ぶことができ、常に準備をしていました。気がついたら4年という時間が経っていましたが、今も昔も変わらず、自分のやるべきことをやり、好きな野球に取り組んできました。そして今回、こういうチャンスがやってきたので、日本でのプレーを決めました」
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