「彼は将来の殿堂入りする選手だ。バットがうまく振れていないチームに対しても自分の力を発揮したと思う。ああいうピッチングをされてしまったんじゃ、我々は脱帽するしかないね」
これはロサンゼルス・エンジェルスを指揮するフィル・ネビン監督代行が、相手投手クレイトン・カーショウ(ロサンゼルス・ドジャース)に送った言葉だ。現地時間7月15日に行なわれた一戦での34歳のベテラン左腕は、そう敵将が感嘆してしまうほどに研ぎ澄まされていた。
この試合までにMLB通算191勝を積み上げた左腕は、初回からストライク先行の小気味いいピッチングで相手打線を牛耳った。8回に先頭打者のルイス・レンヒーフォに二塁打を打たれたものの、ヒットはこの1本のみと流石というほかにない投球を見せつけたのである。
試合中にカーショウの凄みが最も見えたのは、エンジェルスの主砲・大谷翔平との対決だ。過去の対戦でもノーヒットに抑えてきた“二刀流戦士”に対して、ベテラン左腕は1打席目と2打席目は徹底して外角に投げ込む配球で攻める。ここで見逃し三振と内野ゴロに仕留めるのだが、いずれも打席に立った背番号17が思わず顔をゆがめるほどのストライクゾーンいっぱいのボールだった。
そして、7回に訪れた最終対決(3打席目)で大谷は完全に翻弄された。ここで外角へ投げたのは2球目だけで、それ以外はほとんど内角寄りのボールでストライクカウントを稼いだカーショウは、最後に内角低めのボールゾーンへと消えていく74.4マイル(約119.7キロ)の大きく曲がるカーブで空振り三振に切って取ったのだ。
誰の目にも完勝と映る対決だった。だがしかし、カーショウは結果とは裏腹の感想を抱いていた。試合後、地元放送局『Spectrum Sportsnet』のフラッシュインタビューに応じた34歳は、大谷との対戦を問われ、こう語っている。
「オオタニは良い打者だからね。一番気をつけたよ。今日は彼に対してなんとか良いボールを投げられたから良かったけど、もしも、甘く入っていたら打たれるだろうからね。今日、3回も打ち取れたのはラッキーだった」
2三振を奪っていながら「ラッキーだった」と語るカーショウ。どんな場面でも緊張感を保ち続ける姿勢こそが、“偉才対決”を制した要因だったのかもしれない。
構成●THE DIGEST編集部
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この試合までにMLB通算191勝を積み上げた左腕は、初回からストライク先行の小気味いいピッチングで相手打線を牛耳った。8回に先頭打者のルイス・レンヒーフォに二塁打を打たれたものの、ヒットはこの1本のみと流石というほかにない投球を見せつけたのである。
試合中にカーショウの凄みが最も見えたのは、エンジェルスの主砲・大谷翔平との対決だ。過去の対戦でもノーヒットに抑えてきた“二刀流戦士”に対して、ベテラン左腕は1打席目と2打席目は徹底して外角に投げ込む配球で攻める。ここで見逃し三振と内野ゴロに仕留めるのだが、いずれも打席に立った背番号17が思わず顔をゆがめるほどのストライクゾーンいっぱいのボールだった。
そして、7回に訪れた最終対決(3打席目)で大谷は完全に翻弄された。ここで外角へ投げたのは2球目だけで、それ以外はほとんど内角寄りのボールでストライクカウントを稼いだカーショウは、最後に内角低めのボールゾーンへと消えていく74.4マイル(約119.7キロ)の大きく曲がるカーブで空振り三振に切って取ったのだ。
誰の目にも完勝と映る対決だった。だがしかし、カーショウは結果とは裏腹の感想を抱いていた。試合後、地元放送局『Spectrum Sportsnet』のフラッシュインタビューに応じた34歳は、大谷との対戦を問われ、こう語っている。
「オオタニは良い打者だからね。一番気をつけたよ。今日は彼に対してなんとか良いボールを投げられたから良かったけど、もしも、甘く入っていたら打たれるだろうからね。今日、3回も打ち取れたのはラッキーだった」
2三振を奪っていながら「ラッキーだった」と語るカーショウ。どんな場面でも緊張感を保ち続ける姿勢こそが、“偉才対決”を制した要因だったのかもしれない。
構成●THE DIGEST編集部
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