今夏も大いなる盛り上がりを見せたのが、MLBのオールスターゲームだ。現地時間7月18日に開催されたホームラン・ダービーや事前イベントなども含め、激闘が繰り広げられている米球界も束の間のお祭りムードとなった。
そんな年に一度の祭典において、ある剛腕投手の言葉が話題を呼んだ。それは18日に開かれたメディアイベントで記者の質問に応じたジャスティン・バーランダー(ヒューストン・アストロズ)のコメントだ。
同じ投手としても活躍を続ける大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)に対して、39歳のベテラン右腕は次のように語った。
「実はチーム内で今季のMVPに誰がなるかって議論になったんだけど、僕はショウヘイに1票を投じた。最高の打者であり、最高の投手でもある。そんな彼に反対票を入れるのはまず無理だ」
バーランダーが「反対できない」と語るほどの凄みは今季の大谷にもたしかにある。打っては打率.258、19本塁打、56打点、10盗塁、OPS.834(出塁率.348+長打率.486)。投げては昨季と同じ9勝(4敗)をマークし、防御率2.38、奪三振率12.72と、投打で違いを作り続けているからだ。
一方で今季はライバルも出色のパフォーマンスを披露。とりわけアーロン・ジャッジは、オールスター前までに33本塁打を放ち、実に61本ペースで量産し続け、鮮烈なインパクトを残している。
ゆえにバーランダーの言葉には現地の識者からも異論が飛んだ。かつてアトランタ・ブレーブスなど8球団でプレーした元メジャーリーガーのマーク・デローサ氏は、自身がコメンタリーを務めるMLB公式番組『MLB Central』で、「たしかに難しくはなってきているとは思う」と前置きしたうえで、ジャッジの活躍ぶりを強調した。
「前半戦だけで33ホーマーも打っている。それにジャッジのほぼすべての打席が試合を決定付けるものだった。それこそが“価値”ってものだと思う。しかも、201センチという体格でありながらセンターを守ってる。彼はマジック・ジョンソン(NBAのレジェンド)なんだ。だから、俺のMVPは彼だ」
もっとも、大谷の活躍を軽視するべきではなく、デローサ氏もするつもりはない。続けざまに「MVPを巡って議論が起きるのも分かる。でも、俺の中ではプレーオフにチームを導く選手がなるべきだと思うんだ」と、改めてジャッジを推挙した47歳は、こう大谷の存在意義を論じた。
「打撃の優秀さを称えるならハンク・アーロン賞があるし、ピッチングの秀逸さにはサイ・ヤング賞がある。だから、俺は“大谷ルール”を作ったみたいに、オオタニのための賞を作って、彼のやっていることに対する価値を上げ続けるべきだとは思う。そうしないとジャッジぐらいの活躍を見せない限り、他の選手は全くのノーチャンスだ。
ブラディミール・ゲレーロJr.だって、去年は最年少で3冠王を取る勢いだったのに、MVPのチャンスは全くなかった。オオタニは究極の選手なのさ。彼には弱点がひとつたりともない。足だってすごく速いし、19本塁打、56打点も稼ぐだけのパワーもある。そして彼は頭を使って投げられる。ただ力だけで押す投手じゃないんだ。彼には才能がありすぎるんだ」
野球の本場アメリカで、早くも熱く議論されている今季のMVPレース。仮に大谷が栄えある賞を2年連続で掴んだ時、現地ではどういった意見が飛び交うのか。後半戦の活躍とともに、識者たちの考察が注目されそうだ。
構成●THE DIGEST編集部
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そんな年に一度の祭典において、ある剛腕投手の言葉が話題を呼んだ。それは18日に開かれたメディアイベントで記者の質問に応じたジャスティン・バーランダー(ヒューストン・アストロズ)のコメントだ。
同じ投手としても活躍を続ける大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)に対して、39歳のベテラン右腕は次のように語った。
「実はチーム内で今季のMVPに誰がなるかって議論になったんだけど、僕はショウヘイに1票を投じた。最高の打者であり、最高の投手でもある。そんな彼に反対票を入れるのはまず無理だ」
バーランダーが「反対できない」と語るほどの凄みは今季の大谷にもたしかにある。打っては打率.258、19本塁打、56打点、10盗塁、OPS.834(出塁率.348+長打率.486)。投げては昨季と同じ9勝(4敗)をマークし、防御率2.38、奪三振率12.72と、投打で違いを作り続けているからだ。
一方で今季はライバルも出色のパフォーマンスを披露。とりわけアーロン・ジャッジは、オールスター前までに33本塁打を放ち、実に61本ペースで量産し続け、鮮烈なインパクトを残している。
ゆえにバーランダーの言葉には現地の識者からも異論が飛んだ。かつてアトランタ・ブレーブスなど8球団でプレーした元メジャーリーガーのマーク・デローサ氏は、自身がコメンタリーを務めるMLB公式番組『MLB Central』で、「たしかに難しくはなってきているとは思う」と前置きしたうえで、ジャッジの活躍ぶりを強調した。
「前半戦だけで33ホーマーも打っている。それにジャッジのほぼすべての打席が試合を決定付けるものだった。それこそが“価値”ってものだと思う。しかも、201センチという体格でありながらセンターを守ってる。彼はマジック・ジョンソン(NBAのレジェンド)なんだ。だから、俺のMVPは彼だ」
もっとも、大谷の活躍を軽視するべきではなく、デローサ氏もするつもりはない。続けざまに「MVPを巡って議論が起きるのも分かる。でも、俺の中ではプレーオフにチームを導く選手がなるべきだと思うんだ」と、改めてジャッジを推挙した47歳は、こう大谷の存在意義を論じた。
「打撃の優秀さを称えるならハンク・アーロン賞があるし、ピッチングの秀逸さにはサイ・ヤング賞がある。だから、俺は“大谷ルール”を作ったみたいに、オオタニのための賞を作って、彼のやっていることに対する価値を上げ続けるべきだとは思う。そうしないとジャッジぐらいの活躍を見せない限り、他の選手は全くのノーチャンスだ。
ブラディミール・ゲレーロJr.だって、去年は最年少で3冠王を取る勢いだったのに、MVPのチャンスは全くなかった。オオタニは究極の選手なのさ。彼には弱点がひとつたりともない。足だってすごく速いし、19本塁打、56打点も稼ぐだけのパワーもある。そして彼は頭を使って投げられる。ただ力だけで押す投手じゃないんだ。彼には才能がありすぎるんだ」
野球の本場アメリカで、早くも熱く議論されている今季のMVPレース。仮に大谷が栄えある賞を2年連続で掴んだ時、現地ではどういった意見が飛び交うのか。後半戦の活躍とともに、識者たちの考察が注目されそうだ。
構成●THE DIGEST編集部
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