7月26、27日に開催されるプロ野球のオールスターゲーム。日本野球界の実力者が集う球宴は、これまで数多くのドラマが繰り広げられてきた。そのなかでも野球ファンを大いに盛り上げ、今なお語り継がれているプレーがある。今回は珍プレーを3つ紹介する。
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▼オールスターは「真剣勝負」か「お祭り」か? 1996年の球宴で交錯した2人の名将の価値観
1996年のオールスターで起こった対決は、今も歴代有数の珍場面として伝承されている。7月21日の第2戦、7対3とリードした全パの仰木彬監督(オリックス)は、9回表2死ランナーなしの場面で、ライトのイチローをマウンドに上げた。全セの次打者は松井秀喜。イチローvs松井の黄金対決に、東京ドームに詰めかけたファンは喝采を送った。
だが、この仰木采配にムッとしていたのが、全セの野村克也監督(ヤクルト)だった。
いかにイチローが140キロ後半の速球を投げられるといえども、本職は野手なのだから「打たれて当たり前」。逆に松井が打ち取られればプライドが大いに傷つくとあって、代打に投手の高津臣吾を送り、対決は幻に終わった。
ノムさんいわく「オールスターは格式ある真剣勝負の場」。この姿勢は現役時代から一貫していた。何しろ、自分の通算本塁打記録を抜いた王貞治には絶対に打たれたくないと真剣にリードして、30打席連続無安打に抑えたほどの人だ。王の球宴通算打率が.213の低さなのは、ノムさんの配球の賜物と言ってもいい。
一方、仰木監督は「オールスターはお祭り」、ファンサービスの場だと考えていたのではないか。90年の球宴で指揮を執った際には、当時新人ながら快投を連発していた野茂英雄を、第1戦ではリリーフ、第2戦では先発と連投させている。
とは言っても、イチローを登板させたのは決しておふざけではないはず。後年には、萩原淳をはじめとする3人の野手を投手に転向させた実績もある。お祭りとは言いつつも、仰木監督なりの思惑が込められた采配だったに違いない。
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▼オールスターは「真剣勝負」か「お祭り」か? 1996年の球宴で交錯した2人の名将の価値観
1996年のオールスターで起こった対決は、今も歴代有数の珍場面として伝承されている。7月21日の第2戦、7対3とリードした全パの仰木彬監督(オリックス)は、9回表2死ランナーなしの場面で、ライトのイチローをマウンドに上げた。全セの次打者は松井秀喜。イチローvs松井の黄金対決に、東京ドームに詰めかけたファンは喝采を送った。
だが、この仰木采配にムッとしていたのが、全セの野村克也監督(ヤクルト)だった。
いかにイチローが140キロ後半の速球を投げられるといえども、本職は野手なのだから「打たれて当たり前」。逆に松井が打ち取られればプライドが大いに傷つくとあって、代打に投手の高津臣吾を送り、対決は幻に終わった。
ノムさんいわく「オールスターは格式ある真剣勝負の場」。この姿勢は現役時代から一貫していた。何しろ、自分の通算本塁打記録を抜いた王貞治には絶対に打たれたくないと真剣にリードして、30打席連続無安打に抑えたほどの人だ。王の球宴通算打率が.213の低さなのは、ノムさんの配球の賜物と言ってもいい。
一方、仰木監督は「オールスターはお祭り」、ファンサービスの場だと考えていたのではないか。90年の球宴で指揮を執った際には、当時新人ながら快投を連発していた野茂英雄を、第1戦ではリリーフ、第2戦では先発と連投させている。
とは言っても、イチローを登板させたのは決しておふざけではないはず。後年には、萩原淳をはじめとする3人の野手を投手に転向させた実績もある。お祭りとは言いつつも、仰木監督なりの思惑が込められた采配だったに違いない。
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