阪神
46勝46敗2分勝率.500(2位)
平均得点:3.40(5位)
平均失点:2.81(1位)
得失点差:+56(2位)
▼前半戦通信簿:まずまずです
矢野燿大監督が今季限りの辞任を明言した開幕を迎えると、いきなり9連敗、だが、一時は16まで増えていた借金を前半戦最終盤についに完済して2位へ浮上した。得失点差+56は首位のヤクルト(+65)とほとんど変わらず、戦力的には互角と言っていいくらいだ。
もちろんその原動力は、両リーグ1位の防御率2.51を誇る投手陣。わけても先発ローテーションは、青柳晃洋を筆頭に伊藤将司、西勇輝、ガンケルの4人が2.50以下と抜群の安定度を誇る。開幕直後はごたごたしていたリリーフも、ケラーに代わって岩崎優を抑えに据えてからは落ち着いた。中継ぎでは湯浅京己、浜地真澄、石井大智らの若手や、新加入の渡邊雄大が期待以上に健闘。ケラーも再昇格後は力強い投球を見せていて、こちらも隙がない。
野手では大山悠輔が6月だけで10本塁打。近本光司も同月から7月にかけて30試合連続安打を放ち、一番の仕事をこなしている。近本が19盗塁、中野拓夢も16盗塁、チーム全体でもリーグ最多71盗塁(失敗21回)を記録している機動力も有効な武器になっている。
とはいえ、チーム打率.239は最下位。大山と近本、佐藤輝明以外の選手たちの貢献度は低いと言わざるを得ない。ポジション別の得点貢献度も、捕手・二塁・左翼の3ポジションでリーグ平均を大きく下回っている。特にマルテ、ロハスの外国人コンビは故障もあって合わせて5本塁打、OPS.700以下と期待を裏切った。
【動画】甲子園バックスクリーンへ一閃! 佐藤輝明の弾丸アーチをチェック
▼後半戦のキーポイント
・サトテルを含めた主力野手のコンディション維持
当然、後半戦はどうしても打線の奮起が必要になる。新外国人としてロドリゲスも加えてはいるが、キーマンとしては佐藤を挙げたい。5月までは好調だったが、6月以降はヒットこそ出ているものの40試合で3本塁打のみ。昨年も夏場に入る前から打てなくなったことから、体力的な問題も指摘する声もある。
佐藤に限らず、近本や中野も出ずっぱりとあって、終盤戦に調子を落とさないか不安が募る。金本知憲や鳥谷敬の例があるように、このチームには休まず試合に出続けるのが美徳だとの雰囲気があるようだが、それでパフォーマンスが落ちてしまうようでは本末転倒だ。矢野耀大監督が最後の年を最高の結果で飾れるかどうかは、主力選手のコンディション維持が最大のカギになるのではないだろうか。
文●出野哲也
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46勝46敗2分勝率.500(2位)
平均得点:3.40(5位)
平均失点:2.81(1位)
得失点差:+56(2位)
▼前半戦通信簿:まずまずです
矢野燿大監督が今季限りの辞任を明言した開幕を迎えると、いきなり9連敗、だが、一時は16まで増えていた借金を前半戦最終盤についに完済して2位へ浮上した。得失点差+56は首位のヤクルト(+65)とほとんど変わらず、戦力的には互角と言っていいくらいだ。
もちろんその原動力は、両リーグ1位の防御率2.51を誇る投手陣。わけても先発ローテーションは、青柳晃洋を筆頭に伊藤将司、西勇輝、ガンケルの4人が2.50以下と抜群の安定度を誇る。開幕直後はごたごたしていたリリーフも、ケラーに代わって岩崎優を抑えに据えてからは落ち着いた。中継ぎでは湯浅京己、浜地真澄、石井大智らの若手や、新加入の渡邊雄大が期待以上に健闘。ケラーも再昇格後は力強い投球を見せていて、こちらも隙がない。
野手では大山悠輔が6月だけで10本塁打。近本光司も同月から7月にかけて30試合連続安打を放ち、一番の仕事をこなしている。近本が19盗塁、中野拓夢も16盗塁、チーム全体でもリーグ最多71盗塁(失敗21回)を記録している機動力も有効な武器になっている。
とはいえ、チーム打率.239は最下位。大山と近本、佐藤輝明以外の選手たちの貢献度は低いと言わざるを得ない。ポジション別の得点貢献度も、捕手・二塁・左翼の3ポジションでリーグ平均を大きく下回っている。特にマルテ、ロハスの外国人コンビは故障もあって合わせて5本塁打、OPS.700以下と期待を裏切った。
【動画】甲子園バックスクリーンへ一閃! 佐藤輝明の弾丸アーチをチェック
▼後半戦のキーポイント
・サトテルを含めた主力野手のコンディション維持
当然、後半戦はどうしても打線の奮起が必要になる。新外国人としてロドリゲスも加えてはいるが、キーマンとしては佐藤を挙げたい。5月までは好調だったが、6月以降はヒットこそ出ているものの40試合で3本塁打のみ。昨年も夏場に入る前から打てなくなったことから、体力的な問題も指摘する声もある。
佐藤に限らず、近本や中野も出ずっぱりとあって、終盤戦に調子を落とさないか不安が募る。金本知憲や鳥谷敬の例があるように、このチームには休まず試合に出続けるのが美徳だとの雰囲気があるようだが、それでパフォーマンスが落ちてしまうようでは本末転倒だ。矢野耀大監督が最後の年を最高の結果で飾れるかどうかは、主力選手のコンディション維持が最大のカギになるのではないだろうか。
文●出野哲也
【関連記事】「勝ち星=投手の実力」にあらず。勝利による評価の“限界”とは?【野球の“常識”を疑え!第1回】
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