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高校野球

【甲子園3日目のプロ注目選手たち】日本文理・田中と興南・生盛が今大会最速タイをマーク! 逆転劇に貢献した市立船橋の正捕手・片野も必見<SLUGGER>

西尾典文

2022.08.09

ともに敗れはしたが、日本文理の田中(右)と興南の生盛(左)がともに今大会最速タイの148キロをマーク。ポテンシャルを見せつけた。 写真:滝川敏之

ともに敗れはしたが、日本文理の田中(右)と興南の生盛(左)がともに今大会最速タイの148キロをマーク。ポテンシャルを見せつけた。 写真:滝川敏之

 いよいよ開幕した第104回全国高校野球選手権大会。大会3日目に登場したプロ注目の選手たちの活躍ぶりを振り返る。

●田中晴也(日本文理3年・投手):6回 被安打8 7失点(自責点7) 3奪三振 1死球

 右手人差し指のマメを潰した影響もあり、中盤に崩れて負け投手となったが、それでも随所にスケールの大きさを感じさせた。力を入れたストレートは軽々と145キロを超え、最速は今大会ここまでトップタイの148キロを計測。これだけのスピードはやはり大きな魅力だ。昨年に比べて制球力も向上しており、少し時間はかかりそうなタイプだが、今年の候補の中でもポテンシャルの高さは屈指であるのは間違いない。プロ志望なら比較的早く名前が呼ばれる可能性は高そうだ。
 
●宮原明弥(海星3年・投手):9回 被安打8 0失点 9奪三振 3四死球

 注目された田中との投げ合いを完封という最高の形で飾って見せた。昨年と比べると身体がひと回りも締まり、そのおかげで体重移動にもスピードが出てきたように見える。最速144キロをマークしたストレートも角度があったが、組み立ての軸となったのがスライダーだ。120キロ台中盤から130キロ前後とスピードにも変化にもバリエーションがあり、田中のボールと比べても明らかに打者の手元で変化していた。終盤は少し球威が落ちたが、失点を許さなかったのも大きな成長と言えるだろう。

●戸井零士(天理3年・遊撃手):4打席4打数3安打

 今年の高校球界を代表する強打のショート。第1打席こそチャンスでサードゴロに倒れたが、その後は2本の二塁打を含む3安打とさすがの活躍を見せた。特に素晴らしいのが、ボールを見る形だ。無駄な動きがなく、鋭く振り出せるためボールを長く見ることができ、誘うような変化球もしっかり見極められる。

 140キロ台のスピードにも振り負けず、左へ右へと鋭いライナーを放った。ショートの守備もフットワーク、グラブさばきとも高レベルで、少しバウンドが合わなくてもボールをこぼさない堅実さが魅力。少しスローイングの強さは課題だが、打てるショートとして魅力のある選手だと、改めて証明した。
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