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打率.159の“強打者”の呪い!? ギャロ放出後のヤンキースは0勝5敗、獲得したドジャースは6勝0敗

THE DIGEST編集部

2022.08.09

今季不振のギャロがヤンキースにとっては大事だった? 彼放出後にまさかの連敗が話題。(C)Getty Images

 現状は、"明暗"分かれるトレードの結果となっている。

 現地時間8月2日に迎えたトレード・デッドライン。天才打者のホアン・ソトをはじめ大物選手が多数移動するなか、あまり注目されていなかった男がここにきてフォーカスされている。ニューヨーク・ヤンキースからロサンゼルス・ドジャースに移籍したジョーイ・ギャロだ。

 2年連続で40本塁打以上を放った実績もあるギャロは球界屈指の「ブンブン丸」として知られ、通算打率.201、三振率は37.1%に達している。もっとも、選球眼とアスリート能力に優れ、通算四球率は14.9%の高率を誇り、2020~21年にはゴールドグラブも受賞している。

 昨年の夏のトレードでテキサス・レンジャーズからヤンキースへ加入した強打者はこのオフにFAを迎え、活躍に期待する声も多かった。しかし、開幕から速球にまったくバットが当たらず三振を量産。確かにこれは通常運転ではあったが、肝心のホームランがなかなか出ず、82試合で打率.159、12本塁打、出塁率.282、OPS.621。好調なチームの中で一人取り残されるよな結果になった。

 そんななかで、ヤンキースは対照的な巧打者のアンドリュー・ベニンテンディを獲得。居場所がなくなったギャロはトレード期限の2日に、若手投手との交換でドジャースへ放出されたのだった。移籍後のギャロも4試合の10打席で打率.200、長打ゼロ本とまだ結果は出ていない。しかし面白いことに、ギャロのトレード後、両軍の勝敗が驚く結果になっているのだ。
 
  2日からヤンキースは本拠地でシアトル・マリナーズと2試合を戦ったが、僅差のゲームを落とすと、今度は敵地でセントルイス・カーディナルスと3連戦を行うも、ここでもまさかの3連敗。過去15年でヤンキースがナ・リーグ球団に3戦スイープ負けを喫するのは初とのことだった。

 一方、今季も圧倒的強さを見せるドジャースは、ギャロが加入した2日から同地区のサンフランシスコ・ジャイアンツ、プレーオフ圏内にいてソトらを大型補強したサンディエゴ・パドレスと対戦。しかし、彼らをまったく寄せ付けずに6戦全勝。その前から続く連勝を8に伸ばしている。

 ギャロ放出後にヤンキースが0勝5敗、ドジャースが6勝0敗という結果に、スポーツメディア『TSN EDGE』が「ジョーイ・ギャロがディファレンス・メーカーだった(笑)」と報じるなど、現地では"ギャロの呪い"としてにわかに注目を集める珍事になっている。少なくともドジャースの勝利にギャロはほとんど貢献はしていないけれども、"幸運の置物"として存在感を発揮しているようだ。

 8日の試合を終え、ヤンキースは"呪い"から解放される約1週間ぶりの白星を挙げたが、今後も苦しむことがあれば、再びギャロの名前がにぎわすかもしれない。

構成●THE DIGEST編集部

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