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「ソトと2人とも獲れるか」パドレスGMが明かす“大谷翔平トレード計画”の舞台裏。なぜ彼らは今夏に実現できなかったのか?

THE DIGEST編集部

2022.08.11

今夏のトレード市場でソト(右)の獲得に至ったパドレス。だが、土壇場まで彼らは大谷(左)の獲得も視野に入れて動いていた。

 今夏にその動向が小さくない話題となったのが、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)だ。現地時間8月2日に幕を閉じたトレード市場において終盤まで移籍の可能性が囁かれた。

 米紙『New York Post』の敏腕ジョン・ヘイマン記者が伝えたところによれば、トレード期限の締め切りが差し迫った状況で、エンジェルスの下には、ニューヨーク・ヤンキースやサンディエゴ・パドレスら12球団からオファーが舞い込んだという。

 はたして、トレードは実現しなかった。エンジェルスはマイク・トラウトとアンソニー・レンドーンという主力が相次いで故障離脱中というチーム状況から放出を断念。その代わりにノア・シンダーガードをフィリーズへ。そして昨オフに延長契約を結んだばかりの守護神ライセル・イグレシアスをブレーブス、そして期待の若手外野手ブランドン・マーシュをシンダーガードとは別の交渉でフィリーズに売った。

 チームが売り手に回るなかで残留となった大谷。だが、ライバル球団は土壇場まで球界屈指の天才プレーヤーの獲得を模索し続けていた。この度、ヘイマン記者の出演するポッドキャスト番組「The Show: A NY Post baseball podcast」に出演したパドレスのAJ・プレラーGMは、「オオタニを獲得するという議論は球団内で確かにあった」と明かした。

 もっとも、今夏のパドレスはトレード市場の目玉でもあったホアン・ソトを獲得。その他にも強打者のジョシュ・ベルとブランドン・トゥルーリー、そして球界屈指のクローザー、ジョシュ・ヘイダーも補強。見返りとして若手有望株を数多く手放したが、球団史上初の世界一に向けた手を打った形となった。
 
 そんなパドレスの補強を指揮したプレラーGMは、大谷獲得も視野に入れていた。番組内でヘイマン記者から「あなたたちはオオタニのトレードにも乗り出していたと伝えられているが、実現できる実感はあったか」と問われ、こう切り返している。

「ソトと大谷は、2人ともエイリアン級のタレントで、今の野球界じゃ唯一無二の存在だ。だから、まるでスポーツラジオとかで繰り広げられるような議論が会議室で起きていたよ。『どっちを獲るべきなんだ』、『いや、2人とも獲れるか』ってね。

 ではなぜ、大谷を"諦めた"のか。プレラーGM曰く、「ナショナルズは早い段階から交渉に対して聞く耳を持っていて、前向きさがうかがえた」からだった。

「エンジェルスは我々の接触に対して『考えておこう』という感じで、彼(大谷)をトレード市場に出すのかはっきりした姿勢を見せていなかったんだ。それで最終的に彼らはオオタニを出す気がないと示したから、我々はソトのトレードを決断したんだ。ミナシアン(エンジェルスGM)との価値観が違ったんだと思う」

 もしも、大谷が今夏にパドレスへ移っていたら――。いわゆる"たられば"だ。しかし、ダルビッシュ有との共闘を含めて、実現の可能性があった『世界線』は実に興味深い。

構成●THE DIGEST編集部

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