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ルースが103年前に「効率的ではない」と漏らした二刀流への本音。大谷翔平の偉業に米老舗誌も熱視線「最高のスペクタクル」

THE DIGEST編集部

2022.08.11

気迫のこもったピッチングで偉人の残した大記録をやってのけた大谷。その活躍には目の肥えた米メディアも注目し続けている。(C)Getty Images

 あらためて、「大谷翔平」の名が球史に刻まれた瞬間だった。

 現地時間8月10日に行なわれたオークランド・アスレティックス戦で、「2番・DH兼投手」として先発した大谷(ロサンゼルス・エンジェルス)は、今季10勝目をマーク。ベーブ・ルースが1918年に記録して以来となる「シーズン2桁勝利&2桁本塁打」を達成した。

 当の大谷本人は試合後に米放送局『Bally Sports West』などの取材で「単純に2つ(二刀流を)やっている人がいなかっただけかなと思うので。もしかしたら普通の数字かもしれない」と謙遜した。だが、あの野球の神様に並ぶ記録を打ち立てたのは、やはり"普通"ではない。

 投打における活躍がいかに難しいかは、他でもないルースが認めているところでもある。彼は9勝&29本塁打をマークした19年のシーズン後に、地元メディアの取材でこう明かした。

「毎日のように投げ、そして打席に立つのは大変だ。腕に負担がかかりすぎるんだ。俺はそのやり方が決して効果的でないことがわかった」
 
 偉業を達成する前の16年(323.2回)と17年(326.1回)に300イニング以上を投げていたルース。そんな登板過多を良しとする時代だったとはいえ、"野球の神様"が「大変だ」と漏らすほど簡単ではない二刀流を、28歳の日本人は見事にやってのけているのだ。

 いまや当たり前のように投打でMVP級の働きを見せ、104年前の大記録に並んだ。そんな当代屈指の天才には、米メディアでの反響も広まり続けている。米老舗スポーツ誌『Sports Illustrated』は、「オオタニが投打両方でオールスター級のプレーヤーであるという事実は、おそらく彼がスポーツ史で最も伝説的なプレーヤーと並ぶ存在であるということを意味している」と強調。そして、こう記した。

「オオタニが長期的に二刀流をこなせるかどうかは、時間が解決してくれるだろう。もしも、彼がそれをこなすなら、スポーツが持つ最高のスペクタクル(光景)になるのは間違いない」

 球界、いやスポーツ界全体においても稀有なアスリートとなりつつある大谷。彼の一挙手一投足には、世界中が熱視線を送り続ける。

構成●THE DIGEST編集部

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