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高校野球

レギュラー固定か、それとも柔軟な選手起用か。初戦敗退の明徳義塾が直面した“甲子園のジレンマ”<SLUGGER>

氏原英明

2022.08.12

昨年夏にはベスト8まで進出した明徳義塾が初戦敗退。馬淵監督(写真中央)は選手たちと天をあおいだ。写真:塚本凛平

昨年夏にはベスト8まで進出した明徳義塾が初戦敗退。馬淵監督(写真中央)は選手たちと天をあおいだ。写真:塚本凛平

 3大会連続出場の明徳義塾高が初戦で姿を消した。

 九州の雄・九州国際大付高と投手戦を演じて、1対2で惜敗。エースの吉村優聖歩は相手打線翻弄するピッチングを見せたが、エラーがらみの2失点を攻撃陣が跳ね返すことができずに力なく敗れた。

「吉村はよく投げたんじゃないかと思いますけど、打線が奮起して3、4点取ってやっていたら、吉村のナイスピッチングというゲームになっていたと思うんですけどね。こすったようなフライばっかり。あれが敗因だった」

 明徳義塾・馬淵史郎監督は淡々と試合を振り返った。
 
 昨夏も大活躍したエースの吉村は、さらに成長した姿を見せつけるピッチングだったが、相手エース左腕の香西一希もそれ以上に良かった。

 球速が140キロに満たないという点では吉村と似たタイプで、コーナーをうまくついていくピッチングが光った。左バッターにはカットボールをメインに攻め、右バッターにはチェンジアップ。ストレートが微妙に動くから厄介だった。

「高校野球の手本のようなピッチャー。140キロが出なくても打ち取れる。うちとしては140キロくらい投げるピッチャーの方が打てたんですけど、両方のタイプの投手の練習をやっておかないといけないということでしょうね」

 そんなサウスポーに対して、2番から6番まで左打者を揃えるなどしたのはチーム事情だ。本来は4番を打つはずの右打者・本田凪汐の調子がイマイチで、打順を下げたところ左が並んだ。とはいえ、代わりの4番・寺地隆成は2安打だったから、それだけが敗因ではないだろう。
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