第104回全国高校野球選手権大会も7日目に突入。この日に登場したプロ注目の選手たちの活躍ぶりを振り返る。
・山田陽翔(近江3年/投手):9回11安打3失点(自責点3)12奪三振3四死球
3回に2本のホームランを浴びて3点を失ったものの、その後は見事に立ち直り、2試合連続となる2ケタ奪三振もマークしチームを勝利に導いた。立ち上がりは少し慎重な入りだったが徐々にスピードアップして、この日も自己最速にあと1キロに迫る148キロをマーク。ストレートの平均球速は1回戦が38球で144.1キロだったのに対し、この日は56球を投じて144.9キロと向上していた。走者を背負っても、終盤になっても球威が落ちることがないのは大きな長所だ。
変化球はカットボール、スライダーの精度が1回戦と比べて良くないように見えた反面、素晴らしかったのがツーシームだ。130キロ台後半から140キロ台前半のスピードがあり、ストレートとまったく見分けがつかず、打者の手元で鋭くシュートしながら落ちる。特に左バッターに対しては必殺のボールだった。
・戸井零士(天理3年/遊撃手):5打席4打数1安打1四球
7回のレフト前への1安打に終わったが、第2打席のセンターフライ、第5打席のセカンドフライはいずれも相手のスーパープレーに阻まれたもので、攻守にさすがの存在感を見せた。打撃で特に素晴らしいのが、外角と低めの変化球の見極め。相手バッテリーが度々誘うようなボール球を投げても手を出すことがなく、しっかり見極めて四球を選ぶことができる。踏み込みも確かで難しいボールもセンター中心に打ち返し、鋭く引っ張った打球の速さも目立った。
また、守備はとにかく球際に強い。三遊間の深い位置でバウンドが変わった打球に対してもしっかり落ち着いて処理し、ノーステップで一塁へ投げてアウトにしてみせた。チームは敗れ、2回戦で甲子園を去ることになったが、総合的に見ても高校球界トップクラスのショートであることは間違いないだろう。
文●西尾典文
【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間400試合以上を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。
・山田陽翔(近江3年/投手):9回11安打3失点(自責点3)12奪三振3四死球
3回に2本のホームランを浴びて3点を失ったものの、その後は見事に立ち直り、2試合連続となる2ケタ奪三振もマークしチームを勝利に導いた。立ち上がりは少し慎重な入りだったが徐々にスピードアップして、この日も自己最速にあと1キロに迫る148キロをマーク。ストレートの平均球速は1回戦が38球で144.1キロだったのに対し、この日は56球を投じて144.9キロと向上していた。走者を背負っても、終盤になっても球威が落ちることがないのは大きな長所だ。
変化球はカットボール、スライダーの精度が1回戦と比べて良くないように見えた反面、素晴らしかったのがツーシームだ。130キロ台後半から140キロ台前半のスピードがあり、ストレートとまったく見分けがつかず、打者の手元で鋭くシュートしながら落ちる。特に左バッターに対しては必殺のボールだった。
・戸井零士(天理3年/遊撃手):5打席4打数1安打1四球
7回のレフト前への1安打に終わったが、第2打席のセンターフライ、第5打席のセカンドフライはいずれも相手のスーパープレーに阻まれたもので、攻守にさすがの存在感を見せた。打撃で特に素晴らしいのが、外角と低めの変化球の見極め。相手バッテリーが度々誘うようなボール球を投げても手を出すことがなく、しっかり見極めて四球を選ぶことができる。踏み込みも確かで難しいボールもセンター中心に打ち返し、鋭く引っ張った打球の速さも目立った。
また、守備はとにかく球際に強い。三遊間の深い位置でバウンドが変わった打球に対してもしっかり落ち着いて処理し、ノーステップで一塁へ投げてアウトにしてみせた。チームは敗れ、2回戦で甲子園を去ることになったが、総合的に見ても高校球界トップクラスのショートであることは間違いないだろう。
文●西尾典文
【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間400試合以上を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。
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