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高校野球

仙台育英は2年生野手2人が躍動!下関国際・古賀も今大会ベストの投球【甲子園決勝のプロ注目選手たち】<SLUGGER>

西尾典文

2022.08.22

優勝した仙台育英では2年生レギュラー2人が活躍。来年のドラフトに向けて期待を持たせた。写真:塚本凛平(JMPA代表撮影)

優勝した仙台育英では2年生レギュラー2人が活躍。来年のドラフトに向けて期待を持たせた。写真:塚本凛平(JMPA代表撮影)

 仙台育英高が東北勢初の優勝を果たし、幕を閉じた第104回全国高校野球選手権大会。下関国際高との決勝戦で光った、“プロ注目選手”の活躍ぶりを振り返る。

●橋本航河(仙台育英2年/外野手):5打席5打数3安打2打点1盗塁
 チーム全体では打順が目まぐるしく入れ替わる大会の中で、全5試合にトップバッターとして出場。打率5割と見事な成績を残してチームの優勝に大きく貢献した。

 決勝でも5回と7回に貴重な追加点となるタイムリーを放つなど、3安打2打点の活躍を見せた。172㎝、69㎏と身体は大きくないが、振り出しの鋭いスウィングからのミート力の高さは抜群。足に頼って走り打ちにならず、しっかり強く振り切れるのも大きな長所だ。肩の強さが出てくれば、高校の先輩で同じ苗字の橋本到(元巨人など)のような走攻守三拍子そろった選手になることも期待できるだろう。

●山田脩也(仙台育英2年/遊撃手):5打席4打数3安打1打点1四球1盗塁

 橋本と同じく、2年生ながらショートとして全試合に先発出場し、攻守にわたって見事な活躍を見せた。決勝戦でも4回に先制点のきっかけとなるツーベースを放つと、5回には追加点となるタイムリーヒットも放ち、3安打の固め打ち。まだ少し身体の割れが不十分で、崩されやすいのは課題だが、リストの強さは見事だ。
 
 また、ショートの守備でも三遊間の深い当たりを楽々と処理。今大会では登板はなかったが、投手として140キロ以上のスピードを誇る強肩を守備でアピールした。走攻守を兼ね備えたショートとして、秋以降も注目を集めることになりそうだ。

●古賀康誠(下関国際3年/投手):4.2回6安打3失点(自責点3) 3奪三振1四球
 準決勝では2回途中降板という悔しい結果に終わったが、決勝戦では抜群の立ち上がりを見せ、3回までは無失点と好投。中盤につかまって負け投手にはなったものの、今大会でも最も内容のあるピッチングだった。

 特に光ったのが120キロ台と130キロ台がある2種類のスライダー。どちらもしっかり腕を振って投げられ、曲がりの大きさにバリエーションがあるのも大きい。ストレートもこの日は安定して140キロ近いスピードがあり、数字以上の勢いも感じられた。貴重なサウスポーだけに、プロ志望なら獲得を検討する球団が出てくる可能性もあるだろう。

文●西尾典文
【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間400試合以上を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。

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