「素直に嬉しいですし、本当に周りの方々に感謝したい」。
8月19日の広島戦で勝利を飾り、チームでは三浦大輔監督以来となる2度目の2ケタ勝利を達成した大貫晋一。「三浦監督のような選手になるには、まだまだ遠く及ばないという思いが強いので、もっともっと練習していつか追い付けるように頑張りたいと思います」と、実に大貫"らしく"謙虚に喜びを表現した。
黙々と淡々と表情を変えずアウトを積み重ねる。スリムな体躯と涼し気な顔立ちと同じく、投球スタイルも派手さはないが、チームへの貢献度は計り知れない。
ここまで10勝はリーグ2位、防御率2.57もリーグ4位。開幕からチームでただ一人ローテーションを守り続けている点も立派だ。
ゴロを打たせるピッチングスタイルは不変だが、昨年からは「課題として、三振を多く取れるようにと設定した。ここぞって場面でしっかりと三振を狙いに行けているのは、点を与えるリスクに対してすごく有効」と、勝負どころではバッターをねじ伏せるハイブリッドピッチングを会得。また、昨季は被打率.335と苦戦した対左打者も、今年は.267まで抑えており、より穴の少ない投手となっている。
10勝目を挙げた際、三浦監督は「シーズンずっとローテーションを守ってくれていますし、夏場でも安定した投球をしてくれています。10勝で満足してもらっては困りますし、本人もまだまだ通過点と思っていると思います」と、さらなる成長に期待を寄せる。
そして、斎藤隆ピッチングコーチは、「開幕から安定して頑張ってくれた大貫が、ここまで先発陣では最大の貢献者だと思っています」と明言。「その中でも、どの球団とでもバランス良く勝ち数を伸ばしているところを、僕は非常に評価してます。右投手のオーバースローと、オーソドックスな投手でありながら全球団からバランス良く勝っていることは、皆さんが思っているよりも僕は評価したい」。
大貫が「今シーズンは長いイニングをなかなか投げられていない。長いイニングを投げられないと、柱だったりエースってものになれないと思う」と悔やんでいる点には、「本人が長いイニングをキーワードにして、ずっと気にしていることは分かっています」とうなずいた。
しかし、「シーズン中なので、課題を2人で話すようなことはしない。クレバーな投手なので、1を言うと3、4と理解してくれる。必要以上のことを今は言わないようにしています」と性格を熟知した上で、「1イニングずつ丁寧に行こうと、とてもシンプルに当たり前のことで、足元をすくわれないようにと言っていることが多い」という。
左腕王国のベイスターズにとって、"右のエース"は長年不在。小学生時代は横浜スタジアムのライトスタンドに陣取っていたハマっ子右腕は、安定感とゲームメイクセンスを武器に、憧れの三浦大輔のような存在へ一歩ずつ歩みを進める。
取材・文●萩原孝弘
8月19日の広島戦で勝利を飾り、チームでは三浦大輔監督以来となる2度目の2ケタ勝利を達成した大貫晋一。「三浦監督のような選手になるには、まだまだ遠く及ばないという思いが強いので、もっともっと練習していつか追い付けるように頑張りたいと思います」と、実に大貫"らしく"謙虚に喜びを表現した。
黙々と淡々と表情を変えずアウトを積み重ねる。スリムな体躯と涼し気な顔立ちと同じく、投球スタイルも派手さはないが、チームへの貢献度は計り知れない。
ここまで10勝はリーグ2位、防御率2.57もリーグ4位。開幕からチームでただ一人ローテーションを守り続けている点も立派だ。
ゴロを打たせるピッチングスタイルは不変だが、昨年からは「課題として、三振を多く取れるようにと設定した。ここぞって場面でしっかりと三振を狙いに行けているのは、点を与えるリスクに対してすごく有効」と、勝負どころではバッターをねじ伏せるハイブリッドピッチングを会得。また、昨季は被打率.335と苦戦した対左打者も、今年は.267まで抑えており、より穴の少ない投手となっている。
10勝目を挙げた際、三浦監督は「シーズンずっとローテーションを守ってくれていますし、夏場でも安定した投球をしてくれています。10勝で満足してもらっては困りますし、本人もまだまだ通過点と思っていると思います」と、さらなる成長に期待を寄せる。
そして、斎藤隆ピッチングコーチは、「開幕から安定して頑張ってくれた大貫が、ここまで先発陣では最大の貢献者だと思っています」と明言。「その中でも、どの球団とでもバランス良く勝ち数を伸ばしているところを、僕は非常に評価してます。右投手のオーバースローと、オーソドックスな投手でありながら全球団からバランス良く勝っていることは、皆さんが思っているよりも僕は評価したい」。
大貫が「今シーズンは長いイニングをなかなか投げられていない。長いイニングを投げられないと、柱だったりエースってものになれないと思う」と悔やんでいる点には、「本人が長いイニングをキーワードにして、ずっと気にしていることは分かっています」とうなずいた。
しかし、「シーズン中なので、課題を2人で話すようなことはしない。クレバーな投手なので、1を言うと3、4と理解してくれる。必要以上のことを今は言わないようにしています」と性格を熟知した上で、「1イニングずつ丁寧に行こうと、とてもシンプルに当たり前のことで、足元をすくわれないようにと言っていることが多い」という。
左腕王国のベイスターズにとって、"右のエース"は長年不在。小学生時代は横浜スタジアムのライトスタンドに陣取っていたハマっ子右腕は、安定感とゲームメイクセンスを武器に、憧れの三浦大輔のような存在へ一歩ずつ歩みを進める。
取材・文●萩原孝弘