ベテランのまさかの離脱に対する反響は収まりそうにない。現地時間８月27日、ニューヨーク・ヤンキースは、アロルディス・チャップマンを15日間の故障者リストに入れると発表。あわせて原因が左足に入れたとされるタトゥーによって引き起こした感染症であるともリリースした。

　2010年にメジャーデビューを飾って以来、315セーブを挙げてきた剛腕クローザーだが、近年はやや低調なパフォーマンスに終始。今季も５月に35日間の故障者リスト入りをするなど、開幕時からア・リーグ東地区を独走した好調なチームにあって、その不振は悪目立ちしていた。

　そうしたなかでの２度目の離脱となった。ヤンキースのアーロン・ブーン監督は「ハッキリ言って、それ（タトゥーを入れるかどうか）は個人的な選択だ」とし、「私は、彼を正し、彼を助けるためにフォーカスしている」と断言。あくまでシーズン中にタトゥーを入れた行為に対する非を問わない姿勢を見せている。

　もっとも、すでに腕や胸部にタトゥーを入れているチャップマンからすれば今回の感染症は予想外なのかもしれない。しかし、ネストル・コルテス、クレイ・ホームズ、チャド・グリーン、マイケル・キングといった主力投手たちが相次いで離脱中のロースター状況を見れば、無責任とも言えなくもないか。
  　ゆえに現地メディアでは、34歳のベテラン左腕の離脱には辛辣な声も上がっている。米スポーツ専門サイト『Barstool Sports』は「球界で最も奇妙な理由だ」と疑念を向けると、「過去には犬の散歩中に怪我をしたり、ドローンを操作中に手を痛める選手はいたが、ここまで個人的なケースはあっただろうか」と記した。

「故障者が相次いでブーンの信頼を得られるかと注目されていたチャップマン。彼は酷いことにタトゥーからくる足の感染症で療養中だ。これによって９月のポストシーズンで彼がロースターに入れるかは不透明だ。そのリスクを負うだけの価値があったタトゥーだと願うばかりだ」

　ブーン監督によれば、「回復次第では数日で戻れる」というチャップマン。彼は復帰後に周囲の疑念を振り払う投球を見せつけられるのか。34歳のベテランは間違いなく岐路に立たされている。

構成●THE DIGEST編集部

【関連記事】ヤンキースに吹く“逆風”。故障者相次ぐ投手陣で、次は守護神チャップマンがタトゥーが原因でIL入り「思わぬ離脱」

【関連記事】「99.99%、ジャッジだ！」米記者はMVPレースのほぼ終焉を宣言。大谷翔平を推さない理由はやっぱり本塁打に？

【関連記事】真価を発揮した大谷翔平に敵地記者も脱帽！ 力でねじ伏せた圧巻９Kに「オオタニがいかにすごいかをまだ理解できてない」