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レッドソックスには戦略が? 澤村拓一への“戦力外通告”に米メディアで賛否両論「価値があった」「失望させられた」

THE DIGEST編集部

2022.08.30

今季はいかなる場面での登板にも応えていた澤村。それだけにシーズンが佳境を迎えたなかでの宣告は厳しいものとなった。(C)Getty Images

 サムライリリーバーが苦境に立たされた。

 ボストン・レッドソックスは現地時間8月28日、澤村拓一を40人枠ロースターから外す措置(DFA)を行なった。これにより澤村は、今後ウェーバーにかけられ、他球団からのオファーがなければ自由契約あるいはマイナー降格となる。

 日本で言われる「事実上の戦力外通告」は、本拠地フェンウェイ・パークのタンパベイ・レイズ戦後に行なわれた。地元紙『Boston Globe』などによれば、試合後にアレックス・コーラ監督が直に伝えたという。

 この日も2点ビハインドの6回から2番手で登板した澤村は、1イニングで4安打を浴び、メジャー移籍後ワーストタイとなる3失点。そんな散々なピッチング後に告げられた唐突な宣告だっただけに反響は小さくない。

 もっとも、ボストンにとっては明確な戦略を持っての宣告だったと言える。

 ひとつは今季49試合に登板した澤村が50試合目のマウンドに立てば、5万ドル(約690万円)の出来高ボーナスが発生するため、先を見据えて出費を抑えるための策。そしてもうひとつは、8月31日の米国東時間11時59分までに40人枠に入っていなければ、プレーオフに出場できない独自ルールが関係する。
 
 今季にア・リーグ東地区最下位に沈んでいるレッドソックスではプレーオフ進出は望み薄。そうしたなかで、レギュラーシーズン終了後も優勝を争う可能性を秘めたチームが、澤村獲得に動くために3日間の猶予が与えられた格好となったのである。すなわち資金面と澤村の今後を考慮してのDFAだと言える。

 だが、このレッドソックス首脳陣の決断に対して、現地メディアでは賛否両論の声が上がっている。

 地元紙『Boston Globe』は、「バランスシート上は、サワムラの働きは300万ドル(4億2000万円)の年俸からすると価値があった。大差のついた場面や、ほどほど大事な場面で多くのイニング数を稼いでくれた」と評価。一方でMLBの移籍専門サイト『MLB Trade Rumors』は、澤村の被ハードヒット(打球初速153キロ以上)率(45.9%)がリーグ平均より約10ポイントも高く、全体の中では下位5%に位置すると指摘。そのうえで「ここ最近の低調さに球団はかなり失望させられ、リリーフ陣にテコ入れをする必要があると感じたようだ」と記した。

 渡米2年目を迎えていた澤村。今季は1度も負傷者リストに入らず、回またぎや連投も難なくこなしてきただけに、買い手が付く可能性も小さくないが、はたして――。

構成●THE DIGEST編集部

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