偉才と怪物――。ともに異能の力を持つ野球人が米球界で話題となっている。大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)とアーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)だ。
もっとも、今季は両雄ともに開幕から尽きない娯楽性を提供してきた。大谷は昨季と同様に二刀流でのハイレベルなプレーを披露。今月9日にはベーブ・ルースが104年前に達成して以来となる「シーズン2桁勝利&2桁本塁打」を見事にやってのけた。一方でジャッジも現地時間8月27日のエンジェルス戦で50号に到達。複数シーズンで年50本塁打を放つのは、メジャーリーグで史上10人目の快挙だった。
双方ともに疲れ知らずの活躍を続け、シーズンの佳境が見え始めたなかで際立った存在感を示している。当然ながらア・リーグのMVP候補として挙げられ、どちらを推すかの論争は日増しに激化している。
そうしたなかで、小さくない物議を醸したのは、敏腕記者の言葉だった。現地時間8月29日に公式ネットワーク番組『MLB Network』に出演したジョン・ヘイマンとジョエル・シャーマンは揃ってヤンキースの主砲を推挙した。
両記者はともに「オオタニも素晴らしい」(ヘイマン)「オールスター級の打者と投手が一人の人間に集約されていることがどれだけすごいことか」(シャーマン)と主張。そのうえで、「ただ、MVPという話になれば、今年はジャッジだ。惜しいというレベルでもなく、彼こそアメリカン・リーグのMVPなんだ」と強調した。
大谷の実力を称えながらも、シーズン63本ペースで本塁打を量産しているジャッジをプッシュした両氏。ただ、互いにニューヨークの日刊紙『New York Post』で執筆する人気コラムニストでもあるため、一連の主張には批判的な声が上がった。エンジェルスのファンサイト『AngelsWin.com』は、「東海岸贔屓は今日も頑張っているようだ」と公式ツイッターで皮肉り、次のように異論を唱えた。
「もしも、今日シーズンが終わったとしよう。それでも俺たちのショウヘイ・オオタニは2022年のMVPだ。そして仮に今のペースでシーズンを終了までを想定すれば、オオタニは、200奪三振以上、2桁勝利、そして防御率は3.00以下で、30本塁打以上、90打点以上、15盗塁は軽くやる」
今回のMVP投票権を持つ記者が「Most Valuable=最も価値があること」をどう定義していくのか。そこが最終的に全世界を沸かせているレースの行方を左右するだろう。はたして、ベースボールを熟知する記者たちがどこに価値を見出すのか。実に興味深いところだ。
構成●THE DIGEST編集部
もっとも、今季は両雄ともに開幕から尽きない娯楽性を提供してきた。大谷は昨季と同様に二刀流でのハイレベルなプレーを披露。今月9日にはベーブ・ルースが104年前に達成して以来となる「シーズン2桁勝利&2桁本塁打」を見事にやってのけた。一方でジャッジも現地時間8月27日のエンジェルス戦で50号に到達。複数シーズンで年50本塁打を放つのは、メジャーリーグで史上10人目の快挙だった。
双方ともに疲れ知らずの活躍を続け、シーズンの佳境が見え始めたなかで際立った存在感を示している。当然ながらア・リーグのMVP候補として挙げられ、どちらを推すかの論争は日増しに激化している。
そうしたなかで、小さくない物議を醸したのは、敏腕記者の言葉だった。現地時間8月29日に公式ネットワーク番組『MLB Network』に出演したジョン・ヘイマンとジョエル・シャーマンは揃ってヤンキースの主砲を推挙した。
両記者はともに「オオタニも素晴らしい」(ヘイマン)「オールスター級の打者と投手が一人の人間に集約されていることがどれだけすごいことか」(シャーマン)と主張。そのうえで、「ただ、MVPという話になれば、今年はジャッジだ。惜しいというレベルでもなく、彼こそアメリカン・リーグのMVPなんだ」と強調した。
大谷の実力を称えながらも、シーズン63本ペースで本塁打を量産しているジャッジをプッシュした両氏。ただ、互いにニューヨークの日刊紙『New York Post』で執筆する人気コラムニストでもあるため、一連の主張には批判的な声が上がった。エンジェルスのファンサイト『AngelsWin.com』は、「東海岸贔屓は今日も頑張っているようだ」と公式ツイッターで皮肉り、次のように異論を唱えた。
「もしも、今日シーズンが終わったとしよう。それでも俺たちのショウヘイ・オオタニは2022年のMVPだ。そして仮に今のペースでシーズンを終了までを想定すれば、オオタニは、200奪三振以上、2桁勝利、そして防御率は3.00以下で、30本塁打以上、90打点以上、15盗塁は軽くやる」
今回のMVP投票権を持つ記者が「Most Valuable=最も価値があること」をどう定義していくのか。そこが最終的に全世界を沸かせているレースの行方を左右するだろう。はたして、ベースボールを熟知する記者たちがどこに価値を見出すのか。実に興味深いところだ。
構成●THE DIGEST編集部