世界最高峰と言われるメジャーリーグで、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)が日進月歩で進化を続けている。
渡米5年目の今季も大谷は投打で異次元の活躍を見せている。打っては33本塁打、86打点、OPS.884とスラッガーとして上々のスタッツをマーク。投げても自己最多の12勝(8敗)をあげ、防御率2.55、奪三振率12.00、WHIP1.06というハイアベレージを残している。
先月31日には、メジャー史上初となる「シーズン30本塁打&2桁勝利」の金字塔を打ち立てた。無論、昨季に続くMVP受賞の期待も懸かる。ア・リーグのシーズン本塁打記録(61本)を超える65本ペースでアーチを量産するアーロン・ジャッジは強大なライバルであり、超えるべき存在だが、二人の熾烈なタイトル争いを含め、話題の尽きない28歳の日本人に世界は魅了されている。
投打で異彩を放つ大谷。今季はとくに投手としての進化が目を見張る。シーズン序盤戦は、およそ18インチ(約45.7センチ)も横滑りするスライダーを軸にすると、後半戦は夏場に実戦で試したばかりの100マイル(約160.9キロ)を超えるシンカーを要所で多投。投球のバリエーションは昨季と見比べても見違えるほどだ。
そんな「投手・大谷」の飛躍を目の当たりするたびに、思い出されるのが、以前にレジェンドが放った言葉だ。
今からちょうど1年前の9月10日(現地時間)の出来事だ。当時、103年ぶりの「2桁勝利&2桁本塁打」達成の期待が寄せられていた大谷は、ヒューストン・アストロズを相手に3回1/3で6失点を喫してKO。勤続疲労の影響もあって、制球と球威の両面で精彩を欠き、強力打線の“カモ”にされた。
一部の現地メディアでは「二刀流の限界」や「ショウヘイ・オオタニは課題を克服できなかった」と報道。偉業を目前にして大谷への風当たりは強まっていた。
そうしたなかで、今の快進撃に繋がる“予言”を送ったのは、ジョン・スモルツだった。
メジャー通算213勝&154セーブを挙げ、最盛期には最速MAX102マイル(約164キロ)の速球と多彩な変化球を組み込んだ老獪なピッチングで名を馳せたスモルツ。そんな球史に残るレジェンドは、ある日のMLB公式ネットワーク番組『MLB Tonight』の解説で、「もう少し待ってあげてくれ」と世間に訴えかけたのである。
「だって、彼はまだメジャーで30先発ぐらいしかしていないじゃないか。やっと本格的なピッチングの組み立て、そしてコースの投げ分けに関して、取り組み始めたってぐらいなのだからね」
「彼はもっと先発の機会を積むべきだと。30から60試合ぐらいの経験をね。そして先発投手としてのスタイルを確立するんだ。それで直球をもっと意のままに投げられるようになれば、いまよりもずっと良くなる」
42歳まで現役で投げ抜いた大投手の金言が本人に届いたかは分からない。しかし、この1年で大谷は“激変”した。
メジャーキャリア自己最速の101.4マイル(約163.1キロ)をマークする4シームの制球力が格段に上がった一方で、スプリットだけでなく、スライダー、そして先述のシンカーを巧みに操り、ついには1年前に達成できなかった「2桁本塁打&2桁勝利」もやってのけたのである。
最近では当たり前のようにサイ・ヤング賞にも推されるようになった。昨季以上に傑物ぶりが際立っている大谷の投手として進化は、スモルツの言った「経験」が、ひとつのカギになったのかもしれない。
構成●THE DIGEST編集部
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渡米5年目の今季も大谷は投打で異次元の活躍を見せている。打っては33本塁打、86打点、OPS.884とスラッガーとして上々のスタッツをマーク。投げても自己最多の12勝(8敗)をあげ、防御率2.55、奪三振率12.00、WHIP1.06というハイアベレージを残している。
先月31日には、メジャー史上初となる「シーズン30本塁打&2桁勝利」の金字塔を打ち立てた。無論、昨季に続くMVP受賞の期待も懸かる。ア・リーグのシーズン本塁打記録(61本)を超える65本ペースでアーチを量産するアーロン・ジャッジは強大なライバルであり、超えるべき存在だが、二人の熾烈なタイトル争いを含め、話題の尽きない28歳の日本人に世界は魅了されている。
投打で異彩を放つ大谷。今季はとくに投手としての進化が目を見張る。シーズン序盤戦は、およそ18インチ(約45.7センチ)も横滑りするスライダーを軸にすると、後半戦は夏場に実戦で試したばかりの100マイル(約160.9キロ)を超えるシンカーを要所で多投。投球のバリエーションは昨季と見比べても見違えるほどだ。
そんな「投手・大谷」の飛躍を目の当たりするたびに、思い出されるのが、以前にレジェンドが放った言葉だ。
今からちょうど1年前の9月10日(現地時間)の出来事だ。当時、103年ぶりの「2桁勝利&2桁本塁打」達成の期待が寄せられていた大谷は、ヒューストン・アストロズを相手に3回1/3で6失点を喫してKO。勤続疲労の影響もあって、制球と球威の両面で精彩を欠き、強力打線の“カモ”にされた。
一部の現地メディアでは「二刀流の限界」や「ショウヘイ・オオタニは課題を克服できなかった」と報道。偉業を目前にして大谷への風当たりは強まっていた。
そうしたなかで、今の快進撃に繋がる“予言”を送ったのは、ジョン・スモルツだった。
メジャー通算213勝&154セーブを挙げ、最盛期には最速MAX102マイル(約164キロ)の速球と多彩な変化球を組み込んだ老獪なピッチングで名を馳せたスモルツ。そんな球史に残るレジェンドは、ある日のMLB公式ネットワーク番組『MLB Tonight』の解説で、「もう少し待ってあげてくれ」と世間に訴えかけたのである。
「だって、彼はまだメジャーで30先発ぐらいしかしていないじゃないか。やっと本格的なピッチングの組み立て、そしてコースの投げ分けに関して、取り組み始めたってぐらいなのだからね」
「彼はもっと先発の機会を積むべきだと。30から60試合ぐらいの経験をね。そして先発投手としてのスタイルを確立するんだ。それで直球をもっと意のままに投げられるようになれば、いまよりもずっと良くなる」
42歳まで現役で投げ抜いた大投手の金言が本人に届いたかは分からない。しかし、この1年で大谷は“激変”した。
メジャーキャリア自己最速の101.4マイル(約163.1キロ)をマークする4シームの制球力が格段に上がった一方で、スプリットだけでなく、スライダー、そして先述のシンカーを巧みに操り、ついには1年前に達成できなかった「2桁本塁打&2桁勝利」もやってのけたのである。
最近では当たり前のようにサイ・ヤング賞にも推されるようになった。昨季以上に傑物ぶりが際立っている大谷の投手として進化は、スモルツの言った「経験」が、ひとつのカギになったのかもしれない。
構成●THE DIGEST編集部
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