場所や状況を考えても驚きと言える"歓声"がこだましたのは、現地時間9月15日にフェンウェイ・パークで行なわれたボストン・レッドソックスとニューヨーク・ヤンキースの一戦だ。
4対2とヤンキースがリードした9回表、先頭打者としてアーロン・ジャッジが打席に入った時だった。相手の主砲が打席に入っているにもかかわらず、球場から「MVP」コールが沸き上がったのだ。永遠のライバルに対して、日頃から辛辣な態度を取るレッドソックスのファンが敵を称えるのは、稀な出来事だと言っていい。
そう振る舞うのも無理もないのかもしれない。なにせ、今季のジャッジは、現地時間9月15日時点でヤンキースの右打者ではシーズン最多となる57本塁打をマーク。往年の大打者ロジャー・マリスが打ち立てたア・リーグの年間本塁打記録(61本)に迫っているのだ。
無論、61本を超えれば、歴史的快挙。さらに言えば、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)も候補となるMVP争いでも一歩前進する。そんな偉業に迫っている"怪物"に敬意を表す意味もあってレッドソックスファンは「MVP」と連呼した……のかもしれない。
メジャーリーグのファンの中でも、フェンウェイ・パークの人々はとくに手厳しいとされる。それだけにジャッジへのチャントには、海外メディアも驚きを隠さない。欧州の野球専門サイト『Passion MLB』は、「オオタニがやってのけていることは並外れている。そのパフォーマンスを考えれば、彼もMVPに値する」としたうえで、「ただ、ボストンのファンはジャッジこそMVPなんだと理解している。彼らは本当に、本当に特別な声援を送った」とレポートした。
一方でジャッジへのチャントは、レッドソックスファンの"皮肉"という意見もある。米メディア『Golf Digest』などに寄稿するコールマン・ベントレー記者は「これは歴史上で最も不快な瞬間なんだ」とし、次のように振り返っている。
「ジャッジへのMVPコールは、彼のMVP獲得を後押ししたのではない。彼らは今季限りで契約が切れるジャッジに入団してもらいたくて、声援を送ったんだ。私はこれが間違った行ないだと思うが、これレッドソックスファンがジャッジに求愛をしなければいけないほど、深刻なチーム状況を表している」
レッドソックスファンがチャントを送った真意は定かではない。いずれにしても、ジャッジの存在感の大きさを物語る光景だったと言える。
構成●THE DIGEST編集部
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そう振る舞うのも無理もないのかもしれない。なにせ、今季のジャッジは、現地時間9月15日時点でヤンキースの右打者ではシーズン最多となる57本塁打をマーク。往年の大打者ロジャー・マリスが打ち立てたア・リーグの年間本塁打記録(61本)に迫っているのだ。
無論、61本を超えれば、歴史的快挙。さらに言えば、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)も候補となるMVP争いでも一歩前進する。そんな偉業に迫っている"怪物"に敬意を表す意味もあってレッドソックスファンは「MVP」と連呼した……のかもしれない。
メジャーリーグのファンの中でも、フェンウェイ・パークの人々はとくに手厳しいとされる。それだけにジャッジへのチャントには、海外メディアも驚きを隠さない。欧州の野球専門サイト『Passion MLB』は、「オオタニがやってのけていることは並外れている。そのパフォーマンスを考えれば、彼もMVPに値する」としたうえで、「ただ、ボストンのファンはジャッジこそMVPなんだと理解している。彼らは本当に、本当に特別な声援を送った」とレポートした。
一方でジャッジへのチャントは、レッドソックスファンの"皮肉"という意見もある。米メディア『Golf Digest』などに寄稿するコールマン・ベントレー記者は「これは歴史上で最も不快な瞬間なんだ」とし、次のように振り返っている。
「ジャッジへのMVPコールは、彼のMVP獲得を後押ししたのではない。彼らは今季限りで契約が切れるジャッジに入団してもらいたくて、声援を送ったんだ。私はこれが間違った行ないだと思うが、これレッドソックスファンがジャッジに求愛をしなければいけないほど、深刻なチーム状況を表している」
レッドソックスファンがチャントを送った真意は定かではない。いずれにしても、ジャッジの存在感の大きさを物語る光景だったと言える。
構成●THE DIGEST編集部
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