今夏のトレード・デッドラインで新天地に移った男の発言が話題を呼んでいる。
現地時間9月16日、元エンジェルスのクローザーで、8月2日のトレード期限最終日にブレーブスへ移籍したライセル・イグレシアスが地元紙『アトランタ・ジャーナル・コンスティテューション』に以下のようなコメントを残したのだ。
「正直に言って、(エンジェルスとの)違いは存在する。僕は競争力のあるチームや勝てるチームに来たんだ。毎晩のようにアドレナリンが出るし、クラブハウスにも一体感がある。このチーム(ブレーブス)には良い雰囲気やケミストリーを起こす多くの要因がある」
「特に僕はクローザーだから、チームがうまくいってない時は、なかなか思うように投げることが難しくなる。次に登板するのが3、4日後になることもあった。投げる回数が少ないと、リズムを保つのも感覚をつかむのも難しい」
端的にまとめると、イグレシアスは低迷が続くエンジェルスではモチベーションを保てなかった。昨季の世界一チームで今季も激しい地区優勝争いを演じるブレーブスに移籍して活力が沸き、成績が向上したというわけだ。
実際、エンジェルスでは39登板で2勝6敗16セーブ、防御率4.04という成績だったのが、移籍後は激変。セーブ数こそセットアップになっために1つだけだが、19登板で防御率0.51と「別人」と言えるほどである。
しかし、だ。今季のエンジェルス戦を頻繁にチェックしている人なら、イグレシアスの発言を聞いてこう思ったのではないか。「お前が言うか」と。
【動画】ブレーブス移籍でやる気全開! イグレシアスの圧巻ボールをチェック!
イグレシアスの移籍が決まった8月2日時点で、エンジェルスは勝率.427、地区首位のアストロズから22.0ゲームも離され、事実上ポストシーズン進出の可能性はゼロに近い状態だった。だが、思い出してほしい。今季序盤のエンジェルスはいつになく好調だったことを。
開幕から投打がうまくかみ合い、5月10日時点では21勝11敗、勝率.656。貯金10で地区首位に立っていた。その時点のエンジェルスは、イグレシアスの言葉を借りれば「勝てるチーム」だったが、25日からの球団ワーストの14連敗を喫して一気に転落したことは周知の通りだ。
だが、破局の予兆はその前にあった。大型連敗が始まる前の5月14日、敵地でのアスレティックス戦。この日はダブルヘッダーで、第1試合でエンジェルスは最下位相手に9回裏まで3対1とリードしていた。当然、最終回のマウンドはイグレシアス。簡単に2アウトを取ったものの、そこから二塁打、四球で走者を貯めて、まさかのサヨナラ3ランを喫してしまった。
4日後のレンジャーズ戦は9回に2点差を追いつき、延長10回に1点勝ち越し。その裏、再びイグレシアスが投入される。だが、タイブレークで二塁に走者を背負って迎えた先頭のネイサニエル・ロウに初球をライナー右翼ポール際に運ばれ、ここでも逆転サヨナラ弾を浴びてしまったのだ。
立て続けに勝てる試合を落とせば、流れも悪くなって当然。タラればではあるが、もしイグレシアスが2試合ともしっかり抑えていれば、あの大型連敗もなかったかもしれない。
連敗中もイグレシアスはピリッとしなかった。6月5日のフィリーズ戦では、6対2とリードした8回1死満塁のピンチで登場したが、ブライス・ハーパーに満塁アーチを食らって同点にされると、1点を勝ち越してもらった9回裏は2死までこぎつけながら2安打でピンチを作って降板。交代した投手がサヨナラ弾を浴びた。
イグレシアスが好調を維持したとしても、エンジェルスのチーム力を考えれば、いずれ失速する可能性は高かったかもしれない。低迷の責任がイグレシアス一人にあるわけではもちろんない。しかし、自らもチーム失速の一因を招いているにもかかわらず、「モチベーションが上がらなくてダメでした」と言うのはおかしいのではないか。
イグレシアスよりずっと貢献度が高いにもかかわらず、(本音はともかく)表向きは不満をこぼすことなくマイク・トラウトや大谷翔平は、元チームメイトのコメントを聞いてどう思ったのだろうか。
構成●SLUGGER編集部
【関連記事】防御率は圧巻の0点台! まるで別人と化した元エ軍守護神イグレシアスが語った変貌の理由「競争力の乏しいチームは難しい」
【関連記事】162キロ超えのシンカーでマ軍打線翻弄! 大谷翔平、渾身ガッツポーズの堂々7回無失点「リーグ最高の投手だ」
【関連記事】「あらゆる意味でレジェンドだ」大谷翔平が敵選手に贈った“お宝プレゼント”に反響止まず!米識者は「今年のお気に入りの話」と感激
現地時間9月16日、元エンジェルスのクローザーで、8月2日のトレード期限最終日にブレーブスへ移籍したライセル・イグレシアスが地元紙『アトランタ・ジャーナル・コンスティテューション』に以下のようなコメントを残したのだ。
「正直に言って、(エンジェルスとの)違いは存在する。僕は競争力のあるチームや勝てるチームに来たんだ。毎晩のようにアドレナリンが出るし、クラブハウスにも一体感がある。このチーム(ブレーブス)には良い雰囲気やケミストリーを起こす多くの要因がある」
「特に僕はクローザーだから、チームがうまくいってない時は、なかなか思うように投げることが難しくなる。次に登板するのが3、4日後になることもあった。投げる回数が少ないと、リズムを保つのも感覚をつかむのも難しい」
端的にまとめると、イグレシアスは低迷が続くエンジェルスではモチベーションを保てなかった。昨季の世界一チームで今季も激しい地区優勝争いを演じるブレーブスに移籍して活力が沸き、成績が向上したというわけだ。
実際、エンジェルスでは39登板で2勝6敗16セーブ、防御率4.04という成績だったのが、移籍後は激変。セーブ数こそセットアップになっために1つだけだが、19登板で防御率0.51と「別人」と言えるほどである。
しかし、だ。今季のエンジェルス戦を頻繁にチェックしている人なら、イグレシアスの発言を聞いてこう思ったのではないか。「お前が言うか」と。
【動画】ブレーブス移籍でやる気全開! イグレシアスの圧巻ボールをチェック!
イグレシアスの移籍が決まった8月2日時点で、エンジェルスは勝率.427、地区首位のアストロズから22.0ゲームも離され、事実上ポストシーズン進出の可能性はゼロに近い状態だった。だが、思い出してほしい。今季序盤のエンジェルスはいつになく好調だったことを。
開幕から投打がうまくかみ合い、5月10日時点では21勝11敗、勝率.656。貯金10で地区首位に立っていた。その時点のエンジェルスは、イグレシアスの言葉を借りれば「勝てるチーム」だったが、25日からの球団ワーストの14連敗を喫して一気に転落したことは周知の通りだ。
だが、破局の予兆はその前にあった。大型連敗が始まる前の5月14日、敵地でのアスレティックス戦。この日はダブルヘッダーで、第1試合でエンジェルスは最下位相手に9回裏まで3対1とリードしていた。当然、最終回のマウンドはイグレシアス。簡単に2アウトを取ったものの、そこから二塁打、四球で走者を貯めて、まさかのサヨナラ3ランを喫してしまった。
4日後のレンジャーズ戦は9回に2点差を追いつき、延長10回に1点勝ち越し。その裏、再びイグレシアスが投入される。だが、タイブレークで二塁に走者を背負って迎えた先頭のネイサニエル・ロウに初球をライナー右翼ポール際に運ばれ、ここでも逆転サヨナラ弾を浴びてしまったのだ。
立て続けに勝てる試合を落とせば、流れも悪くなって当然。タラればではあるが、もしイグレシアスが2試合ともしっかり抑えていれば、あの大型連敗もなかったかもしれない。
連敗中もイグレシアスはピリッとしなかった。6月5日のフィリーズ戦では、6対2とリードした8回1死満塁のピンチで登場したが、ブライス・ハーパーに満塁アーチを食らって同点にされると、1点を勝ち越してもらった9回裏は2死までこぎつけながら2安打でピンチを作って降板。交代した投手がサヨナラ弾を浴びた。
イグレシアスが好調を維持したとしても、エンジェルスのチーム力を考えれば、いずれ失速する可能性は高かったかもしれない。低迷の責任がイグレシアス一人にあるわけではもちろんない。しかし、自らもチーム失速の一因を招いているにもかかわらず、「モチベーションが上がらなくてダメでした」と言うのはおかしいのではないか。
イグレシアスよりずっと貢献度が高いにもかかわらず、(本音はともかく)表向きは不満をこぼすことなくマイク・トラウトや大谷翔平は、元チームメイトのコメントを聞いてどう思ったのだろうか。
構成●SLUGGER編集部
【関連記事】防御率は圧巻の0点台! まるで別人と化した元エ軍守護神イグレシアスが語った変貌の理由「競争力の乏しいチームは難しい」
【関連記事】162キロ超えのシンカーでマ軍打線翻弄! 大谷翔平、渾身ガッツポーズの堂々7回無失点「リーグ最高の投手だ」
【関連記事】「あらゆる意味でレジェンドだ」大谷翔平が敵選手に贈った“お宝プレゼント”に反響止まず!米識者は「今年のお気に入りの話」と感激