プロ野球

【2022ドラフト候補ランキング最終版|1~10位】“二刀流”矢澤、巨人1位公言の浅野。気になる1位は――<SLUGGER>

西尾典文

2022.10.11

以前から注目を集めている浅野(左)、矢澤(中)に加え、ここへ来て曽谷(右)の評価も上昇している雰囲気だ。写真:THE DIGEST写真部

 2022年のドラフトまであと2週間を切った。一部では不作との評価もある今年のドラフトだが、そんな中でも素晴らしい将来性を秘めた選手は数多くいる。前回(7月)からの変動も含め、最終的にどのようなランキングになったのか見ていこう。

【表】2022ドラフト候補ランキング最終版1~50位一覧(10月6日時点)

▼1位:矢澤宏太[投手兼外野手・日本体育大]
(やざわ・こうた/左投左打/藤嶺藤沢高)
将来像:投手なら松井裕樹(楽天)、野手なら雄平(元ヤクルト)
 大学球界では異例とも言える二刀流で注目を集める選手。2年秋に外野手、3年秋には投手、4年春には指名打者としてベストナインにも選ばれている。ストレートはコンスタントに140キロ台後半をマークし、スライダー、チェンジアップも打者の手元で鋭く変化する。

 外野手としても長打力とスピードは大学球界で屈指の存在。大学日本代表候補合宿の50メートル走では全選手中トップとなるタイムをマークした。投手、野手どちらで勝負するのか、それとも二刀流に挑戦するのか、判断は難しいところだが、どんな選択をしてもスターになれるだけの素材であることは間違いないだろう。
タイプ診断:#スピードスター #二刀流

▼2位:曽谷龍平[投手・白鴎大](前回順位:6位)
(そたに・りゅうへい/左投左打/明桜高)
将来像:岩貞祐太(阪神)
 昨年に大ブレイクをした本格派サウスポー。力みのないフォームで楽に腕を振って150キロを超えるストレートをマークし、そのギャップで打者は差し込まれることが多い。球種は多くないが、スライダーにバリエーションがあるのも持ち味だ。

 昨秋の横浜市長杯では前年優勝の桐蔭横浜大を相手に力で抑え込む投球でチームを勝利に導くと、今春のリーグ戦では松本大を相手にノーヒットノーランも達成した。これだけ出力が高く、三振を奪える左腕は貴重なだけに、人気が集中するのも十分にありえそうだ。
タイプ診断:#本格派サウスポー #ドクターK
 
▼3位:浅野翔吾[外野手・高松商](前回順位:10位)
(あさの・しょうご/右投両打)
将来像:谷佳知(元オリックス)
 下級生の頃から注目を集めている強打の外野手。1年夏からレギュラーとなると、秋の四国大会でも森木大智(高知高→21年ドラフト阪神1位)から3安打を放ち、ポテンシャルの高さを見せつけた。昨夏の甲子園でも優勝した智弁和歌山のエース中西聖輝からレフトスタンドへ叩き込むなど、3試合で10打数7安打と活躍した。

 今春は脚の故障もあって県大会の決勝は欠場したが、夏は地方大会、甲子園でも存在感は圧巻で、高校生の外野手では最注目の選手であり、1位指名の可能性はかなり高いだろう。実際、巨人が早くも1位指名を公言している。
タイプ診断:#強打の一番 #甲子園の星

▼4位:蛭間拓哉[外野手・早稲田大](前回順位:2位)
(ひるま・たくや/左投左打/浦和学院高)
将来像:金本知憲(元阪神)
 今年の大学球界を代表する左のスラッガー。浦和学院では3年夏に出場した甲子園でホームランを放ち、U-18侍ジャパンにも選ばれた。早稲田大でも1年秋からレギュラーになると、2年春からは3季連続で3本塁打をマーク。

 今年の春は厳しい警戒のなかで打率が上がらなかったものの、それでもしっかり四球を選んで高い出塁率を残し、最終週の早慶戦では2本のホームランを放つなどさすがのバッティングを見せた。バッティングだけでなく抜群の脚力も持ち味で、今年の春は守備面でもレベルアップしたところを見せている。
タイプ診断:#左の大砲 #脚力◎

▼5位:松尾汐恩[捕手・大阪桐蔭高](前回順位:12位)
(まつお・しおん/右投右打)
将来像:中尾孝義(元中日など)
 逸材揃いの大阪桐蔭で旧チームから活躍している強打の捕手。スムースに鋭く引っ張る打撃が持ち味で、昨年秋の明治神宮大会、今春のセンバツといずれも決勝でホームランを放ち、チームの優勝に大きく貢献した。

 課題と言われたキャッチングも確実にレベルアップしており、スローイングの速さも高校生ではトップクラス。打撃もバットを引く動きが徐々に小さくなり、確実性もアップしている。U-18W杯でも木製バットでしっかりと成績を残した。打てる捕手として、プロで早くから鍛えてもらいたい素材だ。
タイプ診断:#甲子園の星 #強打の捕手
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浅野と並ぶ高校球界屈指の巨漢スラッガーとは?