プロ野球

【2022ドラフト展望│西武】“新・山賊打線”の顔になるスラッガーの指名! さらに投手陣の継続的な底上げも<SLUGGER>

やまけん

2022.10.14

ライオンズジュニア出身で浦和学院でも活躍。蛭間は新たな時代のチームを背負うにぴったりの存在だ。写真:THE DIGEST写真部

 10月20日に行なわれるプロ野球ドラフト会議。各チームの育成状況や弱点を踏まえた上で、「誰を指名するか」ではなく「誰を指名するべきか」という観点からドラフトを展望する。

【表】西武 ポジション別年齢分布

【指名方針】
バランス重視

【補強ポイント】
・新世代の打線の「顔」
・数年以内にローテーション入りできそうな先発投手
・ブルペンにさらに厚みを持たせるリリーフ投手

 最下位に沈んだ昨季からの雪辱を果たすべく2022年シーズンに臨んだ西武。大混戦を極めたパ・リーグの中で奮闘し、最終的には貯金4の3位でシーズンを終えた。以前は豪快な打撃で襲いかかる「山賊打線」の印象が強かったが、今季は得点数リーグワースト2位に沈みながらもリーグ最少失点の「守り抜く野球」で勝利を重ねた。髙橋光成、松本航ら先発陣が試合を作り、水上由伸、平良海馬、増田達至ら球界屈指のリリーフ陣で終盤をしのいでゲームをモノにする展開が多かった。

 数年前を思うと投手の整備が進んだのは喜ばしいが、優勝を目指すうえでは山賊打線復活が欠かせない。ファームで好成績を残している高木渉や長谷川信哉ら若手を一軍に適応させつつ、新世代の打線の「顔」になり得る選手が欲しい。
 
 そこでハマりそうなのが、すでに1位指名を公言している蛭間拓哉(早稲田大)だ。東京六大学通算12本塁打を記録する強打者で、大学日本代表でも4番を担った。守備や走塁の能力も高く、比較的早期から一軍で勝負できるだろう。

 加えて小学生時代にはライオンズジュニアに選ばれており、実力・経歴の両面において申し分ない。この蛭間より戦力化には時間を要するかもしれないが、「おかわり2世」との呼び声も高い高校生スラッガーの内藤鵬(日本航空石川高)なども面白い存在と言えそうだ。

 近年のドラフトで継続的に好投手を指名してきたが、今年もその路線は踏襲したい。松本や今季台頭した與座海人のように3~5年後にローテーション定着を狙える投手を確保しつつ、ブルペンも補強できる形が理想だ。

 先発タイプとして期待したいのが、菊地吏玖(専修大)だ。高いゲームメイク能力が売りで、1年目からローテーション入りもあり得る。一方、知名度は劣るものの、最速154キロの直球にスライダーやシンカーで打者を幻惑する松井颯(明星大)も面白い存在。上位指名が予想される菊地よりも「お買い得」な指名となる可能性を秘めている。

 リリーフでは小孫竜二(鷺宮製作所)や船迫大雅(西濃運輸)といった指名解禁済みの社会人を狙いたい。両投手とも球威はすでにプロ級で、1年目から「獅子」奮迅の活躍を見せてくれそうだ。

【理想の指名】
1位=蛭間拓哉(早稲田大)
3位=松井颯(明星大)
5位=船迫大雅(西濃運輸)

文●やまけん

【著者プロフィール】
1999年生まれ、千葉県出身。「一人でも多くのアマチュア野球選手がスポットライトを浴びてほしい」という思いから、関東を中心に全国のアマチュア野球の試合を年間約150試合を球場で観戦するアマチュア野球観戦者。Twitter→@yam_ak_en
 
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