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「3000万ドルはあまりに安すぎる!」元MLB球団社長が大谷翔平の“異例契約”に意見「合理的にも理解ができない」

THE DIGEST編集部

2022.10.18

投打で異次元の活躍を見せた今季の大谷。レギュラーシーズン終了直前に締結した契約が話題となっている。(C)Getty Images

 去る10月2日、ロサンゼルス・エンジェルスは、チームの大黒柱である大谷翔平と年俸3000万ドル(約43億4000万円)の1年契約を締結させた。

 年俸550万ドル(約7億9600万円)から5倍以上の大幅昇給。年俸調停権を持つ選手としては、2020年にムーキー・ベッツ(現ロサンゼルス・ドジャース)が、ボストン・レッドソックスと結んだ2700万ドル(約39億1500万円)を超えて史上最高額となる。無論、現球界で唯一無二の二刀流を2シーズン連続で、それも投打でハイスタッツを記録した大谷のパフォーマンスを思えば、納得の契約ではある。

 だが、レギュラーシーズン終了前に年俸調停を回避する大谷とエンジェルスの異例とも言える契約には、さまざまな声が上がっている。現地10月14日に米放送局『CBS Sports』のポッドキャスト番組「Nothing Personal」に出演したダビド・サムソン氏は、「彼は一人二役をやるんだ。そこが価値のポイントになる」とし、「3000万ドルの契約はやりきれない」と持論を語った。

 2002年から約15年間にわたってマイアミ・マーリンズの社長を歴任した経歴を持つサムソン氏は、球団人事のプロフェッショナルだ。ゆえに今回の大谷の契約は「あまりにも安すぎる」と強調した。

「私は球団人事の出身だから基本的には球団側には賛同するようにしている。だけど、他のFAとも比較しながら長期契約の交渉ができたはずなのに3000万ドルは安すぎる。合理的にも理解ができない。だって、彼は1人で2人分のロースター枠を補填してくれるんだよ? しかも球界トップクラスのハイレベルでね」
 
 さらに「私は何度もロースター名簿を作った経験があるから言える」と力説したサムソン氏。興奮気味な同氏に対し、番組にゲストで招かれた米紙『New York Post』のテイラー・ケプナー記者は「たしかにオオタニは調停に持ち込んで5000万ドルを要求することもできたはず」と吐露。そのうえで、自らの見解を論じた。

「そもそもオオタニには比較対象がない。だから、多少強引にでも今の契約を改善する交渉はできたはずだ。それでもそうしなかったのは、FA後に再契約をしないからかもしれない。エンジェルスはトラウトとオオタニという稀代の選手を抱えながら、いまだに打つ手が見いだせていない。これは驚きだ」

 もっとも、今回の契約成立を持って「大谷は来季もエンジェルスでプレーする」ことが確約されるわけではない。今冬のストーブリーグで獲得を狙うチームとのトレードが実現する可能性も皆無ではないのである。

 いずれにしても、このオフも二刀流戦士の話題は尽きなさそうだ。

構成●THE DIGEST編集部

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