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「オオタニの向上には及ばない」“ゲレーロ推し”だった米識者が大谷翔平をMVPに! ジャッジを選ばない理由は?

THE DIGEST編集部

2022.10.17

大谷(右)とジャッジ(左)。この両雄の激しいMVP争いへの注目が増している。(C)Getty Images

大谷(右)とジャッジ(左)。この両雄の激しいMVP争いへの注目が増している。(C)Getty Images

 2022年も大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)は、球界にさまざまな話題を提供。満票でリーグMVPに選出された昨季を超えたと言っても過言ではない異次元の活躍を見せつけた。

 開幕前から高い注目度を集め、ファンやメディアから羨望の眼差しを向けられていた大谷。だが、彼は周囲の期待に応えるかのように投打で存在感を発揮。打っては打率.275、34本塁打、95打点、OPS.881と主砲と呼べるスタッツをマーク。一方で投げても15勝、防御率2.33、219奪三振とエース級の働きを披露し、アメリカン・リーグ西地区で首位から33ゲーム差もつけられたエンジェルスにあって気を吐いた。

 昨季に達成できなかったベーブ・ルースの大記録「シーズン2桁勝利&2桁本塁打」を米球界では104年ぶりにやってのけた大谷は、史上初となる「投打のダブル規定到達」もクリア。より凄みを増した1年を送るとともに、二刀流の真価を発揮した。

 もっとも、2年連続での受賞が期待されるMVP争いにおいては、やや劣勢と見られている。ア・リーグ新記録となる年間本塁打記録(62本)を打ち立てたニューヨーク・ヤンキースの主砲アーロン・ジャッジが君臨しているからだ。本塁打数以外にも長打率.686、OPS1.111をマークした30歳の怪物スラッガーは、近年のMVPを決めるうえで重要視されているWARでも、10.6(bWAR)で大谷のそれを(9.6)を凌駕している。
 
 だが、唯一無二の二刀流が昨季以上の成績を残したという事実から、大谷をMVPに推挙する声は絶えない。現地10月14日に公開された米放送局『CBS Sports』のポッドキャスト番組「Nothing Personal」では、番組MCを務めるダビド・サムソン氏が「今から20年後に2022年を振り返った時に、野球の歴史という観点でオオタニの貢献度の方が大きかったと言えると思う」と断言している。

 過去にマイアミ・マーリンズの球団社長を務めるメジャーの酸いも甘いも知る同氏は、「たしかにジャッジは(ロジャー・)マリスの記録を1本だけ超える62本塁打を放った。それはとてもエキサイティングで、驚くべきことだ」と語ったうえで、「実は昨年の私はMVP争いでゲレーロJr.を推していた」と吐露。そして、大谷を推す理由を続けた。

「私がゲレーロを推した理由は、もしもオオタニがMVPを獲るとなると、話題となった年はそうするしかないんじゃないかと思ったからなんだ。でも、今年の彼は昨年を上回る成績を残した。驚異的に成長しているんだよ。これでMVPを与えないなんて考えられない。ジャッジが昨年のゲレーロよりも上だとしても、オオタニの向上には及ばないと思う」

 両雄がシーズンを通して示した「価値」を考えれば、どちらが受賞してもおかしくはない。そんな歴史的に見てもハイレベルなMVP争いを演じているという事実もまた、大谷の凄みを如実に物語っている。

構成●THE DIGEST編集部

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