現地10月29日に幕を開けた2022年ワールドシリーズ。ア・リーグ東地区を制覇したアストロズと、ワイルドカード3位から下剋上で勝ち上がってきたフィリーズの対決は、第1戦からいきなり延長戦に突入する激闘の末、延長10回にJT・リアルミュートに決勝ホームランを放ち、フィリーズが6対5で白星をつかんだ。
もっとも、ゲーム序盤はむしろアストロズがペースを握っていた。5番のカイル・タッカーに2本のホームランが飛び出すなど、3回までに計5点を先制。レギュラーシーズンで最多勝&最優秀防御率の二冠に輝いた先発のジャスティン・バーランダーも、3回パーフェクトとフィリーズ打線を完璧に抑え込んでいた。
早々に5点差がついたことで、アストロズの勝利を予想したファンは多かったはずだ。5点差をひっくり返すのはたださえ容易ではない。ましてや、相手は打線も投手力もメジャー屈指の充実度を誇るアストロズ。この差はセーフティ・リードのはずだった。事実、MLB公式サイトのサラ・ラングス記者によれば、アストロズはこの日まで5点以上のリードを奪った試合ではプレーオフも含めて実に65連勝していたという。
だが、ワールドシリーズという最高の舞台で66個目を刻もうかとした時、フィリーズ打線が猛烈な追い上げを見せた。4回に2死一、三塁のチャンスでニック・カステヤノスがタイムリー二塁打を放ったのを皮切りに計3点をもぎ取ると、次の5回にも連打で2点を奪って同点に追いつき、バーランダーをKOしてしまった。
追いつかれたとはいえ、まだアストロズには連勝を継続するチャンスが残っていたが、ここ一番で一本が出なかった。6回と8回には得点圏までランナーを進めるも無得点。同点の9回裏にも2死二塁の状況を作るも、ここでリーグ優勝決定シリーズではMVPを獲得したジェレミー・ペーニャが凡フライに倒れてサヨナラ勝ちはならず。リアルミュートにホームランを打たれて勝ち越された後の10回裏にもアストロズ打線は粘りを見せたが、とうとう最後まで得点は挙げられなかった。
一方のフィリーズにとっては、チームの歴史に刻むべき1勝となった。再びラングス記者のツイートを引用すると、「フィリーズはポストシーズンで、5点以上リードされた試合は0勝11敗」だった。つまりフィリーズの今日の逆転劇は、確率から言えば万馬券的中に相当するほどレアなケースだったとも言える。
必勝パターンに持ち込みながらも敗れたアストロズと、敗北必至の状況からひっくり返したフィリーズ。大事なワールドシリーズ第1戦は、両チームの明暗がくっきり分かれる結果となった。下馬評では圧倒的有利と言われていたアストロズは、ここからどう挽回するだろうか。
構成●SLUGGER編集部
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早々に5点差がついたことで、アストロズの勝利を予想したファンは多かったはずだ。5点差をひっくり返すのはたださえ容易ではない。ましてや、相手は打線も投手力もメジャー屈指の充実度を誇るアストロズ。この差はセーフティ・リードのはずだった。事実、MLB公式サイトのサラ・ラングス記者によれば、アストロズはこの日まで5点以上のリードを奪った試合ではプレーオフも含めて実に65連勝していたという。
だが、ワールドシリーズという最高の舞台で66個目を刻もうかとした時、フィリーズ打線が猛烈な追い上げを見せた。4回に2死一、三塁のチャンスでニック・カステヤノスがタイムリー二塁打を放ったのを皮切りに計3点をもぎ取ると、次の5回にも連打で2点を奪って同点に追いつき、バーランダーをKOしてしまった。
追いつかれたとはいえ、まだアストロズには連勝を継続するチャンスが残っていたが、ここ一番で一本が出なかった。6回と8回には得点圏までランナーを進めるも無得点。同点の9回裏にも2死二塁の状況を作るも、ここでリーグ優勝決定シリーズではMVPを獲得したジェレミー・ペーニャが凡フライに倒れてサヨナラ勝ちはならず。リアルミュートにホームランを打たれて勝ち越された後の10回裏にもアストロズ打線は粘りを見せたが、とうとう最後まで得点は挙げられなかった。
一方のフィリーズにとっては、チームの歴史に刻むべき1勝となった。再びラングス記者のツイートを引用すると、「フィリーズはポストシーズンで、5点以上リードされた試合は0勝11敗」だった。つまりフィリーズの今日の逆転劇は、確率から言えば万馬券的中に相当するほどレアなケースだったとも言える。
必勝パターンに持ち込みながらも敗れたアストロズと、敗北必至の状況からひっくり返したフィリーズ。大事なワールドシリーズ第1戦は、両チームの明暗がくっきり分かれる結果となった。下馬評では圧倒的有利と言われていたアストロズは、ここからどう挽回するだろうか。
構成●SLUGGER編集部
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