11月10日、NPBからの国内外のフリーエージェント(FA)宣言選手が公示された。森友哉(西武)や近藤健介(日本ハム)ら今冬の移籍市場における目玉とされるタレントに加え、伏見寅威(オリックス)や嶺井博希(DeNA)など実力派の捕手たちが名を連ねた。
獲得球団に小さくない影響をもたらせる選手たちが名を連ねたリストの中で、異彩を放ったのが、ソフトバンクからの海外FA権を取得した千賀滉大だ。7年連続となる2桁勝利(11勝)を挙げた今季も奪三振率9.75、防御率1.89、WHIP1.04とエース級の力を見せつけた右腕は、かねてから「憧れてきた舞台」と語ってきたメジャー移籍をついに叶える準備が整ったと言える。
日本球界で図抜けたピッチングを見せつけてきた29歳の剛腕には、すでに米球界関係者から熱視線を送られている。MLBの公式ネットワーク番組『MLB Network』は、現地時間11月9日に実施されたゼネラルマネージャー(GM)会議において、シアトル・マリナーズとトロント・ブルージェイズの2球団が獲得交渉に前向きな姿勢を示したと伝えている。
無論、地元メディアも興味津々だ。ブルージェイズの贔屓メディアでもあるカナダのスポーツ専門チャンネル『The Sports Network』のスコット・ミッチェル記者は、同球団のロス・アトキンスGMが今冬のFA市場において投手補強に主眼を置いていると指摘。そのうえで、ジャスティン・バーランダー(ヒューストン・アストロズ)、ロベルト・スアレス(サンディエゴ・パドレス)らとともに千賀を獲得候補として紹介した。
「来年1月に30歳になるセンガは全盛期の右腕であり、昨シーズンは福岡ソフトバンクホークスで防御率1.94を記録している。彼を獲得すべき利点は、彼がポスティングではなく、通常のフリーエージェントとして自由に交渉できるところだ。また、『ゴーストフォーク』と呼ばれるセンガのスプリッターは質の高いボールであり、速球も90マイル後半までは平均で出せる」
もっとも、懸念の声が全くないわけではない。ミッチェル記者は「驚異的なスプリットでアウトを奪える彼がメジャーにどう馴染むか、はたまた馴染めるのかは謎だ。やってみないと分からない」と分析。さらに今季の与四球率が3.06だった点を、今夏にブルージェイズが獲得するも制球難に苦しんだ菊池雄星の成績と比較して、「ブルージェイズファンは聞きたくないだろうが、少しばかり『右のキクチ』の雰囲気がある」と皮肉交じりに記している。
はたして、千賀は“野球の本場”でいかなる活躍を見せるのか。そのパフォーマンスを占ううえでも、すでに噂が絶えない移籍先は大いに注目したい。
構成●THE DIGEST編集部
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日本球界で図抜けたピッチングを見せつけてきた29歳の剛腕には、すでに米球界関係者から熱視線を送られている。MLBの公式ネットワーク番組『MLB Network』は、現地時間11月9日に実施されたゼネラルマネージャー(GM)会議において、シアトル・マリナーズとトロント・ブルージェイズの2球団が獲得交渉に前向きな姿勢を示したと伝えている。
無論、地元メディアも興味津々だ。ブルージェイズの贔屓メディアでもあるカナダのスポーツ専門チャンネル『The Sports Network』のスコット・ミッチェル記者は、同球団のロス・アトキンスGMが今冬のFA市場において投手補強に主眼を置いていると指摘。そのうえで、ジャスティン・バーランダー(ヒューストン・アストロズ)、ロベルト・スアレス(サンディエゴ・パドレス)らとともに千賀を獲得候補として紹介した。
「来年1月に30歳になるセンガは全盛期の右腕であり、昨シーズンは福岡ソフトバンクホークスで防御率1.94を記録している。彼を獲得すべき利点は、彼がポスティングではなく、通常のフリーエージェントとして自由に交渉できるところだ。また、『ゴーストフォーク』と呼ばれるセンガのスプリッターは質の高いボールであり、速球も90マイル後半までは平均で出せる」
もっとも、懸念の声が全くないわけではない。ミッチェル記者は「驚異的なスプリットでアウトを奪える彼がメジャーにどう馴染むか、はたまた馴染めるのかは謎だ。やってみないと分からない」と分析。さらに今季の与四球率が3.06だった点を、今夏にブルージェイズが獲得するも制球難に苦しんだ菊池雄星の成績と比較して、「ブルージェイズファンは聞きたくないだろうが、少しばかり『右のキクチ』の雰囲気がある」と皮肉交じりに記している。
はたして、千賀は“野球の本場”でいかなる活躍を見せるのか。そのパフォーマンスを占ううえでも、すでに噂が絶えない移籍先は大いに注目したい。
構成●THE DIGEST編集部
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