専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
高校野球

1年から異彩を放った“広陵のボンズ”のいま。NPBスカウトも注目するドラフト候補・真鍋慧の魅力はどこか?

西尾典文

2022.11.27

明治神宮大会でも観客の度肝を抜く特大のアーチを放った真鍋。現高校球界で屈指の実力を持つスラッガーは、プロスカウトの垂涎の的でもある。写真:滝川敏之

明治神宮大会でも観客の度肝を抜く特大のアーチを放った真鍋。現高校球界で屈指の実力を持つスラッガーは、プロスカウトの垂涎の的でもある。写真:滝川敏之

 2023年の高校野球界の打者は彼が中心になるかもしれない。そんな予感を抱かせる明治神宮大会での活躍だった。「彼」とは広陵の主砲である真鍋慧だ。

 1年時に出場した昨年の同大会では準決勝の花巻東戦でホームランを放つなど3試合で8安打、打率.533という見事な成績を残し、同学年の佐々木麟太郎(花巻東)、佐倉侠史郎(九州国際大付)とともに注目を集めた。そして2年連続の出場となった今年も初戦の東海大菅生戦、そして決勝の大阪桐蔭戦でいずれも打った瞬間に分かるホームランを放ち、詰めかけた大勢のファン、そして視察に訪れた12球団のスカウト陣に強烈にアピールしたのだ。

 筆者が真鍋のプレーを初めて見たのは、昨秋の中国大会準決勝の岡山学芸館戦だ。1年生ながら「4番・ファースト」で先発出場を果たすと、1点をリードされた3回に同点のタイムリーを放つと、7回にはワンアウト満塁から勝ち越しとなる走者一掃のタイムリースリーベースも放ち、2安打4打点の大活躍でチームの勝利に大きく貢献した。

 この当時の取材ノートには、「1年生とは思えない体格で大きく構え、いかにも打ちそうな雰囲気が漂っている。(中略)バットの無駄な動きがなく、内角の厳しいコースも肘を上手くたたんで対応できる。打球の速さも既に高校生ではトップクラス」など称賛の言葉ばかりが並べてある。
 
 ちなみにスリーベースの三塁到達タイムは12.00秒を切れば、「俊足」と言われるが、この時の真鍋のタイムは最後を軽く流しながらも11.92秒をマーク。脚力があるところも見せていた。

 その後に見た昨年の明治神宮大会、今春の選抜高校野球でも打撃に対する印象は良い意味で変わらず。選抜ではホームランこそ出なかったものの、2試合で7打数4安打としっかり結果を残している。

 もっとも、今秋に新チームが発足してからの真鍋は決して順風満帆だったわけではない。広島県大会では順調にヒット、それも長打を重ねていたが、続く中国大会では相手チームの徹底マークもあって、4試合で8打数2安打7四死球という結果に終わった。気になったのは、その数字だけではない。1回戦の米子東との一戦での打撃フォームが、最後に見た今年6月の宮崎での招待試合とは明らかに変わっていたのだ。
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号