12月9日、初の現役ドラフトが行われ、12人の選手が新天地へと旅立った。ここでは、セ・リーグの各球団に新たに加わった6人の選手を紹介しよう。
▼ヤクルト
成田翔(←ロッテ)
秋田商では3年夏にベスト8進出。15年ドラフト3位でロッテに入団した当時は将来のエース候補として期待されていた。だが、一軍定着を果たせぬままリリーフへ転向。今季は二軍で46試合に登板し、防御率2.27の好成績を残したが、一軍からは声がかからずじまいだった。ヤクルトでは、田口麗斗に次ぐ左の中継ぎとして一軍定着を目指す。秋田商の大先輩で、同じ左腕でもある石川雅規の存在は大きな助けになるだろう。
▼DeNA
笠原祥太郎(←中日)
チェンジアップを決め球とする技巧派左腕。18年に108.2投球回で防御率4.14を記録し、翌19年は開幕投手に抜擢されたこともある。だが、近年は故障で不振で精彩を欠き、今季も3年ぶりの一軍白星を挙げたとはいえ、わずか4試合の登板にとどまった。
このオフはドラフト同期で仲の良い京田陽太が同じく中日からDeNAにトレード移籍。また、同じ先発左腕の東克樹は自主トレをともにする仲で、新天地にもすぐ溶け込めるだろう。
▼阪神
大竹耕太郎(←ソフトバンク)
早稲田大から17年育成ドラフト4位で入団すると、1年目から支配下登録を勝ち取り、育成出身新人では初の初先発初勝利。19年は17先発と一軍定着を果たしたが、ソフトバンクの分厚い投手層に阻まれ、ここ3年はファーム暮らしが続いていた。
平均140キロ前後のストレートにスライダー、カットボール、チェンジアップ、カーブ、シンカーなど多彩な球種を交えてゴロを打たせる投球が持ち味。阪神も投手陣の層は厚いが、二軍では安定した投球を続けており、新天地で何とかチャンスをつかみたい。
▼巨人
オコエ瑠偉(←楽天)
15年夏の甲子園で一大旋風を巻き起こした野生児も、プロではその素質を十分発揮できず……。今季は一軍出場わずか6試合。ただ、二軍では48試合で打率.327、7盗塁をマークするなどかすかに光明も見えた。
奔放な言動が“紳士の球団”ジャイアンツにうまくハマるがどうかは気になるが、原辰徳監督が「補強ポイントを埋めることができる有力な選手を獲得することができました」と言うように、巨人のやや手薄な外野陣でチャンスはあるはずだ。
▼広島
戸根千明(←巨人)
筋トレで鍛え上げた強靭な肉体が自慢で、20年には打者にも挑戦した個性派リリーフ左腕。プロ1年目からいきなり2年連続で40試合登板をクリアしたが、ここ数年は故障もあって一軍と二軍を往復するシーズンが続き、今季も一軍ではわずか9登板で防御率5.02と振るわなかった(二軍では44登板で防御率3.80)。
ただ、カープは手薄な左の中継ぎ陣を底上げする存在として白羽の矢を立てた。新井貴浩新監督は投げっぷりの良さを評価しており、強気の投球で一軍再定着を目指す。
▼中日
細川成也(←DeNA)
179cm・97kgの屈強な体格を誇る右の大砲。プロ1年目の17年に球団史上初の高卒新人プロ初打席初本塁打を記録するなど早くから頭角を現し、20年にはイースタン・リーグで本塁打・打点・出塁率の三冠を獲得した。
だが、一軍の外野陣にはなかなか食い込めず、今季も出場わずか18試合。二軍卒業レベルの成績を残しながら一軍には定着できない状態が数年続いており、現役ドラフトの趣旨に最も合う選手の一人と言っていい。深刻な長打力不足に苦しむ中日への移籍もドンピシャだ。
構成●SLUGGER編集部
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▼ヤクルト
成田翔(←ロッテ)
秋田商では3年夏にベスト8進出。15年ドラフト3位でロッテに入団した当時は将来のエース候補として期待されていた。だが、一軍定着を果たせぬままリリーフへ転向。今季は二軍で46試合に登板し、防御率2.27の好成績を残したが、一軍からは声がかからずじまいだった。ヤクルトでは、田口麗斗に次ぐ左の中継ぎとして一軍定着を目指す。秋田商の大先輩で、同じ左腕でもある石川雅規の存在は大きな助けになるだろう。
▼DeNA
笠原祥太郎(←中日)
チェンジアップを決め球とする技巧派左腕。18年に108.2投球回で防御率4.14を記録し、翌19年は開幕投手に抜擢されたこともある。だが、近年は故障で不振で精彩を欠き、今季も3年ぶりの一軍白星を挙げたとはいえ、わずか4試合の登板にとどまった。
このオフはドラフト同期で仲の良い京田陽太が同じく中日からDeNAにトレード移籍。また、同じ先発左腕の東克樹は自主トレをともにする仲で、新天地にもすぐ溶け込めるだろう。
▼阪神
大竹耕太郎(←ソフトバンク)
早稲田大から17年育成ドラフト4位で入団すると、1年目から支配下登録を勝ち取り、育成出身新人では初の初先発初勝利。19年は17先発と一軍定着を果たしたが、ソフトバンクの分厚い投手層に阻まれ、ここ3年はファーム暮らしが続いていた。
平均140キロ前後のストレートにスライダー、カットボール、チェンジアップ、カーブ、シンカーなど多彩な球種を交えてゴロを打たせる投球が持ち味。阪神も投手陣の層は厚いが、二軍では安定した投球を続けており、新天地で何とかチャンスをつかみたい。
▼巨人
オコエ瑠偉(←楽天)
15年夏の甲子園で一大旋風を巻き起こした野生児も、プロではその素質を十分発揮できず……。今季は一軍出場わずか6試合。ただ、二軍では48試合で打率.327、7盗塁をマークするなどかすかに光明も見えた。
奔放な言動が“紳士の球団”ジャイアンツにうまくハマるがどうかは気になるが、原辰徳監督が「補強ポイントを埋めることができる有力な選手を獲得することができました」と言うように、巨人のやや手薄な外野陣でチャンスはあるはずだ。
▼広島
戸根千明(←巨人)
筋トレで鍛え上げた強靭な肉体が自慢で、20年には打者にも挑戦した個性派リリーフ左腕。プロ1年目からいきなり2年連続で40試合登板をクリアしたが、ここ数年は故障もあって一軍と二軍を往復するシーズンが続き、今季も一軍ではわずか9登板で防御率5.02と振るわなかった(二軍では44登板で防御率3.80)。
ただ、カープは手薄な左の中継ぎ陣を底上げする存在として白羽の矢を立てた。新井貴浩新監督は投げっぷりの良さを評価しており、強気の投球で一軍再定着を目指す。
▼中日
細川成也(←DeNA)
179cm・97kgの屈強な体格を誇る右の大砲。プロ1年目の17年に球団史上初の高卒新人プロ初打席初本塁打を記録するなど早くから頭角を現し、20年にはイースタン・リーグで本塁打・打点・出塁率の三冠を獲得した。
だが、一軍の外野陣にはなかなか食い込めず、今季も出場わずか18試合。二軍卒業レベルの成績を残しながら一軍には定着できない状態が数年続いており、現役ドラフトの趣旨に最も合う選手の一人と言っていい。深刻な長打力不足に苦しむ中日への移籍もドンピシャだ。
構成●SLUGGER編集部
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