専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
プロ野球

阿部、京田が抜けた中日の二遊間でチャンスをつかむのは誰?ルーキー内野手4人の「プロ1年目の現実的な期待値」<SLUGGER>

西尾典文

2022.12.09

4人の内野手をドラフトで指名した中日。この中から正二塁手の座をつかむ選手が出てくる公算が高い。写真:産経新聞社

4人の内野手をドラフトで指名した中日。この中から正二塁手の座をつかむ選手が出てくる公算が高い。写真:産経新聞社

 このオフ、最も動きを見せている球団と言えば中日になるだろう。今季、日本人トップの本塁打、打点を記録した阿部寿樹と昨年まで不動のショートだった京田陽太を相次いでトレードし、涌井秀章、砂田毅樹の投手2人を獲得。打撃が大きな課題のチームだけにこのトレードに対しては疑問の声も多く、一時は「中日大丈夫」というワードがトレンド入りする事態となった。

 しかしその一方で、ドラフトでは4人の内野手を指名。彼らにとっていきなり大きなチャンスがめぐってきたことは間違いない。立浪和義監督も入団会見で来季の開幕二塁手について「ルーキーの可能性が高い」と明言している。そこで、新たに加入した4人の内野手の特長と課題、1年目の現実的な期待値を考えていこう。

 まず最も即戦力度が高く、ポスト阿部として期待されるのがドラフト7位で指名された福永裕基(日本新薬)だ。順位が低くなったのは、来年で27歳という年齢が大きな理由で、現時点での打撃に関しては4人の中でも間違いなくトップの実力を誇る。特に昨年から今年にかけての長打力のアップは著しいものがあり、社会人時代の阿部と比べても飛ばす力は明らかに上だろう。

 また高い弾道の打球も多いため、広い本拠地でもある程度ホームランが期待できるのもプラス材料だ。一方で課題は守備になる。ファースト、セカンド、サードをこなすが、プロレベルではどのポジションでも平均以下という印象を受ける。それだけに、守備でのマイナスを補って余りある打撃ということを、最初に印象付けられるかが勝負になるだろう。期待されるのはやはり長打だけに、打率は.250以下でも1年目から2ケタホームランを目指してもらいたい。
 ドラフトの順位的にも、最もレギュラー獲得の期待が高いのが2位の村松開人(明治大)だ。静岡高時代から俊足巧打が光る選手で、大学でも3度の打率3割をマークしている。特筆すべきはそのミート力の高さで、昨年行われた大学日本代表候補合宿の打撃練習でも、芯で捉える確率は最も高いほどだった。

 リーグ戦通算50試合の出場で15盗塁を記録しているようにスピードも持ち味だが、少し気になるのは怪我の多さだ。高校時代は足首を痛めて最後の夏に代打でしか出場できず、今年春もヒザを手術した影響で出遅れている。スピードがあるからゆえに、下半身にかかる負担も大きいはずだ。2位指名という高い順位に焦ることなく、1年目は一軍で50~70試合に出場し、30~50安打程度を記録すれば十分で、本格的なレギュラー定着は2年目以降と考えておくのが妥当だろう。

 守備と走塁に限れば1年目から大きな戦力となりそうなのが6位指名の田中幹也(亜細亜大)だ。3年秋に潰瘍性大腸炎を患って2試合の出場に終わったものの、レベルの高い東都1部で3度のベストナイン受賞は見事という他ない。特に走塁に関しては圧倒的なものがあり、リーグ戦通算75試合の出場で48盗塁をマーク。今年春にはリーグタイ記録となる1試合6盗塁も記録した。
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号