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プロ野球

ポテンシャルは一級品の陽川は阪神から西武へ、「オリックスの声出し番長」はロッテへ【現役ドラフトで新天地へ移った男たち:パ・リーグ】<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2022.12.10

阪神では将来の主砲として期待され続けた陽川。今季、貧打に悩んだ西武にとって救世主となれるか。写真:THE DIGEST写真部

阪神では将来の主砲として期待され続けた陽川。今季、貧打に悩んだ西武にとって救世主となれるか。写真:THE DIGEST写真部

 12月9日、初の現役ドラフトが行われ、12人の選手が新天地へと旅立った。ここでは、パ・リーグの各球団に新たに加わった6人の選手を紹介しよう。

▼オリックス
渡邉大樹(←ヤクルト)

 専大松戸高では1年生からレギュラーに定着し、甲子園にも出場。優れた野球センスと50m5秒9の俊足を買われ、15年ドラフト6位でヤクルトに入団した。

 ここ2年は一軍での出場機会が増えたが、大半は守備固めでの出場で、昨季は94試合で42打席、今季は49試合で17打席しか立っていない。オリックスの外野陣には佐野皓大や渡部遼人など俊足選手が数多くおり、新天地でも競争は熾烈になる。打撃で結果を出してステップアップしたい。

▼ソフトバンク
古川侑利(←日本ハム)

 150キロ近い速球とフォークが武器の渡り鳥右腕。今回の移籍で4球団目となる。13年夏、有田工業高を初の甲子園出場に導き、同年のドラフトで楽天から4位指名を受け入団。18年には6月以降ローテーションに定着し、17先発で98.0イニングに投げた。

 19年途中に巨人へ移籍、21年オフに戦力外通告を受けたが、育成契約で日本ハムに拾われた今季は開幕直前に支配下登録を勝ち取るとリリーフで34試合に登板した。コントロールは荒れ気味だったが、切れ味鋭いフォークが効果的で、35.1回でわずか3被本塁打。地元九州に帰ってさらにステップアップしたい。

▼西武
陽川尚将(←阪神)

 パンチ力が自慢で、本塁打後のゴリラパフォーマンスで人気を馳せる未完の長距離砲。金光大阪高では通算36本塁打を放ち、09年の育成ドラフトで巨人から3位で指名されるも拒否。東京農業大では通算23本塁打を放ち、13年ドラフト3位で阪神に入団した。

 16~17年にはウエスタン・リーグで本塁打と打点の二冠に輝くなどポテンシャルは一級品ながら、故障もあって一軍では開花しきれなかった。三塁と外野が主なポジションだが、西武はどちらも確固たるレギュラーがおらず、チャンスは十分あるはず。明るいキャラクターも西武のチームカラーに合いそうだ。
 
▼楽天
正隨優弥(←広島)

 大阪桐蔭高では14年に夏の甲子園で優勝。亜細亜大でもパンチ力を発揮して、18年ドラフト6位で地元球団の広島へ入団した。貴重な右の大砲候補として期待され、20年にはプロ初安打をホームランで飾った。

 21年にはウエスタン・リーグ2位の11本塁打を記録し、今季は”ポスト鈴木誠也”の一角として期待されたが、定位置獲得はおろか一軍昇格も果たせなかった。新天地の楽天も外野の層は厚いが、レギュラーはいずれも左打者。左腕相手に結果を残して一軍での地位を確立したい。

▼ロッテ
大下誠一郎(←オリックス)

 常に全力プレーが持ち味の“声出し番長”。テレビ画面越しでも判別できるほど大きな声でチームを盛り上げ、「おとなしい選手が多い」と言われるロッテではムードメーカーとして期待される。

 白鷗大から20年育成ドラフト6位でプロ入り。同年9月に支配下登録され、翌日に育成出身選手では史上初の初打席初本塁打を記録した。最大の売りはパンチ力だが、二軍では10%以上の四球率を記録するなど勢いだけでなく確かな選球眼も備える。一塁と三塁のスーパーサブとして、貧打に苦しんだロッテ打線に活気を与える存在として期待したい。

▼日本ハム
松岡洸希(←西武)

 桶川西高→埼玉ヒートベアーズ→西武と過ごしてきた地元の埼玉から離れ、北海道の地へ新たな一歩を踏み出す。元ヤクルト・林昌勇ばりのサイドスローから繰り出すストレート中心の強気の投球が特徴だ。

 右ヒジ手術のリハビリ明けとなった今季は一軍登板こそなかったが、二軍ではチーム最多の34試合に登板。防御率5.95と結果はいまひとつだったものの、まだ22歳で投手経験も浅く、伸びしろは十分ある。高校時代に埼玉大会で覇を競った同い年の野村佑希(花咲徳栄出身)とのそろい踏みにも期待したい。

構成●SLUGGER編集部

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