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千賀滉大獲りに本腰を入れなかったヤンキース。米専門メディアは懐疑論を提唱「タナカよりも安い値段だ」

THE DIGEST編集部

2022.12.27

メッツ入りが決まった千賀(左)。日本球界で確かな実績を残した右腕だけに、ヤンキース・メディアでは田中(右)との比較が論じられた。(C)THE DIGEST、(C)Getty Images

メッツ入りが決まった千賀(左)。日本球界で確かな実績を残した右腕だけに、ヤンキース・メディアでは田中(右)との比較が論じられた。(C)THE DIGEST、(C)Getty Images

「野球にとって投手は重要だし、常に加えたいと思っている。代理人を務めるジョエル・ウルフと話をした」

 今月6日に開催されたウインターミーティングにおいて、ニューヨーク・ヤンキースの敏腕GMブライアン・キャッシュマンは、メジャー移籍を目指していた千賀滉大の獲得について、そう語っていた。ほどなくして彼はニューヨーク・メッツと5年総額7500万ドル(約102億4000万円)という大型契約を締結するのだが、29歳の日本人右腕が伝統のピンストライプのユニホームを着ていた可能性があったのは間違いない。

 千賀は好条件の契約を結んだと言える。オプトアウト(契約破棄)権こそ23~25年で合計400イニング以上投げなければならないという条件付きとなったが、25年までは全球団に対するトレード拒否権が付帯するうえに、本人の同意なしにはマイナー降格もされない。

 さらに、最優秀救援投手賞を受賞すると10万ドル(約1400万円)、サイ・ヤング賞獲得の場合は5万ドル(約700万円)、同賞の投票で2位になると2万5000ドル(約350万円)、同3位なら1万ドル(約140万円)といった出来高払いもされるのだ。
 
 もっとも、ヤンキースの財政力を持ってすれば、メッツとの競争にも応じられたはずである。ゆえになぜ本腰を入れなかったのかという声は小さくない。地元の専門メディア『Yanks Go Yard』は「なぜヤンキースは値段が判明したセンガの獲得にいかなかったのか」と銘打った特集を掲載。2020年までヤンキースで7年間プレーし、メジャー通算78勝を挙げた田中将大(現楽天)との比較論を展開した。

 まず、千賀について「素晴らしい4シームと古典的なスプリットを持ち、三振も奪えて右肩上がりだ」と賛辞を送った同メディアは、ヤンキースが田中に投じた資金の総額が、ポスティング費用も含めて7年総額1億7500万ドル(231億円)と計算。そのうえで29歳のニューカマーに本腰を入れなかった姿勢に疑問を投げかけた。

「タナカとの契約がヤンキースにとってうまくいったことを考えると、なぜセンガにもっと興味を示さなかったのかと、少々困惑してしまうだろう。ヤンキースは日本球界と長年のコネクションがあり、何よりセンガとメッツとの契約は年平均1500万ドル(19億8000万円)。タナカはもちろん、先発ローテの後続を任せる投手だとしても安い値段だ」

 なお、「投手は欲しい」と語ったキャッシュマンGMは、今月15日にFA(フリーエージェント)市場の人気銘柄となっていた先発左腕カルロス・ロドンと6年総額1億6200万ドル(約227億円)で契約合意。ローテーションの補填には成功している。

構成●THE DIGEST編集部

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