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ダルビッシュの完全試合阻止、サイン盗みへの関与――オリックスへ入団したゴンザレスはエピソード満載の超便利屋<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2022.12.30

オリックス入団が決まったゴンザレス。吉田正尚が抜けた穴を埋める存在として期待される。(C)Getty Images

オリックス入団が決まったゴンザレス。吉田正尚が抜けた穴を埋める存在として期待される。(C)Getty Images

 オリックスが新外国人として、メジャー通算107本塁打の実績を誇るマーウィン・ゴンザレスを獲得した。今季はヤンキースで85試合に出場したゴンザレスは、さまざまな意味で記憶に残る個性派選手だ。

 最大の特徴はその便利屋ぶり。メジャー11年間で捕手以外の8ポジションを守り、球界きってのスーパーユーティリティとして名を馳せてきた。何しろ、一塁・二塁・三塁・遊撃・レフト・ライトの計6ポジションで通算50試合以上に先発出場しているのだから、すごい。どこを守っても守備は決して一流とは言えないが、その汎用性の高さはオリックスでも重宝されるだろう。

 もっとも、日本のファンにとって最も印象が強いのは便利屋ぶりではなく、ある投手の大記録を阻止したことだろう。

 2013年4月2日、当時レンジャーズに所属していたダルビッシュ有の完全試合を、9回2アウトから阻止したのがこのゴンザレスだったのだ。

 敵地ヒューストンでの試合だったにもかかわらず、球場のファンが総立ちでダルビッシュの大記録達成に声援を送っていた中、ゴンザレスは初球の外角球を鮮やかに弾き返し、打球はダルビッシュの股を抜けてセンターへ抜けていった。
 ダルビッシュが苦笑いを浮かべる中、レンジャーズのチームメイトで、のちに千葉ロッテでプレーするレオニス・マーティンがまるで自分のことのように悔しがっていたのが印象的だった。

 一方、ゴンザレスには“汚点”もある。2017年、アストロズが行ったサイン盗みへの関与だ。一連の不正行為はコーチや球団職員も関与した組織ぐるみのものだったが、ホゼ・アルトゥーベやカルロス・コレア、アレックス・ブレグマンらアストロズの主力選手とはまた別の意味で、ゴンザレスに厳しい視線が注がれた。

 なぜならその年、ゴンザレスはキャリア最高の成績を残していたからだ。17年の成績は打率.303、23本塁打、90打点、OPS.907。他のシーズンでは、打率3割も本塁打20本も打ったことがない。おまけに、OPSは.800を超えたことすらない。これでは、「好成績は不正行為のおかげ」と考えるファンがいても致し方ない。

 もっとも、19年オフに事件が発覚した時、アストロズの選手で最も早く謝罪した一人がゴンザレスだった。その後も、「超便利屋のスーパーサブ」としてメジャーで居場所を確保し続けたゴンザレス。来季開幕時は34歳となっている彼は、日本で輝きを放つことができるだろうか。

構成●SLUGGER編集部
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