前阪神の藤浪晋太郎投手(28)が、オークランド・アスレティックスと1年325万ドルで契約した(+譲渡金65万ドル)。
オリックスからレッドソックス入りした吉田正尚外野手(29)の5年9000万ドル(+譲渡金1537万5千ドル)や、ソフトバンクからメッツ入りした千賀滉大投手の5年7500万ドルという契約内容と比較すれば随分と控え目なようだが、「近未来の可能性」という点に於いて、球団と選手双方にメリットのある良い契約になったと思う。
興味深いのは、年俸4900万円から日本円にして4億円以上の「約10倍昇給」が日本で話題になっていることだ。ただ、低予算球団アスレティックスでは上位に入る年俸も、MLBの先発投手に対する評価としては高額とは言えず、阪神での通算189試合登板(994.1イニング)で57勝(54敗)、1011奪三振、防御率3.41という成績に対する正当な評価だとと思う。
そんなことよりも大事なのは、「今季、アスレチックスで頑張れば、来季は大型契約を勝ち取れる可能性が生まれた」という部分である。
もしも藤浪が今季、アスレティックスの先発ローテーションの一角を守り通すことができれば、来季は少なくとも2年1700万ドル前後の高額契約を交わせるはずで、そうなればわずか2年で「20倍以上の昇給」も夢ではない。
もしも藤浪がエース級=先発1、2番手の活躍を見せたなら、来季は6年総額1億6200万ドルの超大型契約を勝ち取れる可能性だってある。年俸計算では、阪神時代と比べて「55倍以上の昇給」も可能になる。 それらは大胆な予想でもなんでもなく、今オフのフリーエージェント(FA)市場における先発投手の、実際の「販売価格」である。前述の「先発ローテーションの一角」と「エース級=先発1、2番手」の価格はどちらも、このオフに実際あった契約を参考にしたものだ。
「2年1700万ドル」は、このオフ、ジョーダン・ライルズ投手がロイヤルズと交わした契約だ。ライルズは昨季、オリオールズで32試合に先発して179.0回を投げ、12勝11敗、144奪三振、防御率4.42という成績だった。決して好成績とは言えないが、年間を通してローテーションを守れば、日本円にして10億円を超える年俸を手にすることができる。それがメジャーリーグの相場なのだ。
そして、「エース級=先発1、2番手」の価格は、昨季ジャイアンツで31試合に登板し、14勝(8敗)、237奪三振、防御率2.88の好成績を残した左腕カルロス・ロドンが実際にヤンキースと交わした条件とまったく同じものだ。
藤浪の契約内容が相場より低い「バーゲン価格」だったことで思い出すのは、15年にノーヒッターを達成したことでも知られる岩隈久志のMLBにおける契約内容の推移だ。
岩隈は10年に藤浪同様ポスティングでのMLB移籍を目指し、アスレティックスから4年1525万ドルを提示されたが合意に至らず、1年後に海外FA権を取得してマリナーズと年俸150万ドル+出来高340万ドル(先発数やイニング数、タイトル受賞などで変動)の単年契約を結んだ。
オリックスからレッドソックス入りした吉田正尚外野手(29)の5年9000万ドル(+譲渡金1537万5千ドル)や、ソフトバンクからメッツ入りした千賀滉大投手の5年7500万ドルという契約内容と比較すれば随分と控え目なようだが、「近未来の可能性」という点に於いて、球団と選手双方にメリットのある良い契約になったと思う。
興味深いのは、年俸4900万円から日本円にして4億円以上の「約10倍昇給」が日本で話題になっていることだ。ただ、低予算球団アスレティックスでは上位に入る年俸も、MLBの先発投手に対する評価としては高額とは言えず、阪神での通算189試合登板(994.1イニング)で57勝(54敗)、1011奪三振、防御率3.41という成績に対する正当な評価だとと思う。
そんなことよりも大事なのは、「今季、アスレチックスで頑張れば、来季は大型契約を勝ち取れる可能性が生まれた」という部分である。
もしも藤浪が今季、アスレティックスの先発ローテーションの一角を守り通すことができれば、来季は少なくとも2年1700万ドル前後の高額契約を交わせるはずで、そうなればわずか2年で「20倍以上の昇給」も夢ではない。
もしも藤浪がエース級=先発1、2番手の活躍を見せたなら、来季は6年総額1億6200万ドルの超大型契約を勝ち取れる可能性だってある。年俸計算では、阪神時代と比べて「55倍以上の昇給」も可能になる。 それらは大胆な予想でもなんでもなく、今オフのフリーエージェント(FA)市場における先発投手の、実際の「販売価格」である。前述の「先発ローテーションの一角」と「エース級=先発1、2番手」の価格はどちらも、このオフに実際あった契約を参考にしたものだ。
「2年1700万ドル」は、このオフ、ジョーダン・ライルズ投手がロイヤルズと交わした契約だ。ライルズは昨季、オリオールズで32試合に先発して179.0回を投げ、12勝11敗、144奪三振、防御率4.42という成績だった。決して好成績とは言えないが、年間を通してローテーションを守れば、日本円にして10億円を超える年俸を手にすることができる。それがメジャーリーグの相場なのだ。
そして、「エース級=先発1、2番手」の価格は、昨季ジャイアンツで31試合に登板し、14勝(8敗)、237奪三振、防御率2.88の好成績を残した左腕カルロス・ロドンが実際にヤンキースと交わした条件とまったく同じものだ。
藤浪の契約内容が相場より低い「バーゲン価格」だったことで思い出すのは、15年にノーヒッターを達成したことでも知られる岩隈久志のMLBにおける契約内容の推移だ。
岩隈は10年に藤浪同様ポスティングでのMLB移籍を目指し、アスレティックスから4年1525万ドルを提示されたが合意に至らず、1年後に海外FA権を取得してマリナーズと年俸150万ドル+出来高340万ドル(先発数やイニング数、タイトル受賞などで変動)の単年契約を結んだ。