日本球界が生んだ“未完の大器”がいよいよ海を渡る。現地1月17日にオークランド・アスレティックスと契約を締結した藤浪晋太郎だ。
ポスティング期限ギリギリまで交渉を重ね、アスレティックス入りを決めた藤浪。本人が「信頼してくれた」と語った契約内容は1年325万ドル(約4億2000万円)。ここにポスティング費用の20%にあたる65万ドル(約8400万円)が付帯し、さらにインセンティブ(出来高払い)が支払われる形態となっている。
平均年俸が約4億3500万円と言われるメジャーリーグにあっては、決してメガディールと呼べる金額ではない。しかし、昨季年俸4900万円(推定)の約10倍という大幅な昇給は日本国内で小さくない話題となった。
高校時代から「スカウティングをしていた」(米メディア『The Athletic』より)というアスレティックスがしっかりと見定めた末の契約だ。たしかに1年契約はシビアではある。だが、100マイル(約160.9キロ)の速球とスプリットとカットボールで打者をねじ伏せてきたパワーアームが“野球の本場”でいかなる結果を残すかは、やはり楽しみな面が大きい。
そうしたなかで、興味深い数字が明らかになった。米野球データ専門サイト『Fan Graphs』が予測した藤浪の成績だ。
メジャーでは「プロジェクション」という成績を予測する文化が浸透している。ありとあらゆるデータをもとに、選手がどれだけの数字を出すのかを弾き出し、それが多くの公式メディアなどで活用されている。当然、藤浪のデータもまとめられているわけである。
この「プロジェクション・システム」はいくつか種類があるのだが、そのうちの2つを活用した『Fan Graphs』による藤浪の成績予測は、以下の通りとなった。
【THE BAT】
投球回:130イニング(25先発)
勝敗:6勝10敗
防御率:5.48
奪三振率:7.47
与四球率:4.86
WHIP:1.57
【Depth Chart】
投球回:111イニング(43登板、23先発)
勝敗:0勝0敗
防御率:5.13
奪三振率:7.77
与四球率:3.49
WHIP:1.43
もっとも、これは直近3シーズンの藤浪が不振に悩まされ、成績を悪化させた要素が多分に加味されている。そのため、昨季終盤に数字を向上させた部分が含まれているとは言い難く、実際にここまで数字を落とすかは不透明な部分がある。しかしながら、どちらの予測も防御率が5点台で、奪三振率も高くない点は気になるところだ。
繰り返すが、あくまでこれは“予測”である。念願のメジャー移籍を果たした藤浪が一躍ブレイクを果たす可能性もゼロではない。それだけに日本球界屈指のポテンシャルを持つ29歳の予想を覆す活躍に期待したい。
構成●THE DIGEST編集部
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ポスティング期限ギリギリまで交渉を重ね、アスレティックス入りを決めた藤浪。本人が「信頼してくれた」と語った契約内容は1年325万ドル(約4億2000万円)。ここにポスティング費用の20%にあたる65万ドル(約8400万円)が付帯し、さらにインセンティブ(出来高払い)が支払われる形態となっている。
平均年俸が約4億3500万円と言われるメジャーリーグにあっては、決してメガディールと呼べる金額ではない。しかし、昨季年俸4900万円(推定)の約10倍という大幅な昇給は日本国内で小さくない話題となった。
高校時代から「スカウティングをしていた」(米メディア『The Athletic』より)というアスレティックスがしっかりと見定めた末の契約だ。たしかに1年契約はシビアではある。だが、100マイル(約160.9キロ)の速球とスプリットとカットボールで打者をねじ伏せてきたパワーアームが“野球の本場”でいかなる結果を残すかは、やはり楽しみな面が大きい。
そうしたなかで、興味深い数字が明らかになった。米野球データ専門サイト『Fan Graphs』が予測した藤浪の成績だ。
メジャーでは「プロジェクション」という成績を予測する文化が浸透している。ありとあらゆるデータをもとに、選手がどれだけの数字を出すのかを弾き出し、それが多くの公式メディアなどで活用されている。当然、藤浪のデータもまとめられているわけである。
この「プロジェクション・システム」はいくつか種類があるのだが、そのうちの2つを活用した『Fan Graphs』による藤浪の成績予測は、以下の通りとなった。
【THE BAT】
投球回:130イニング(25先発)
勝敗:6勝10敗
防御率:5.48
奪三振率:7.47
与四球率:4.86
WHIP:1.57
【Depth Chart】
投球回:111イニング(43登板、23先発)
勝敗:0勝0敗
防御率:5.13
奪三振率:7.77
与四球率:3.49
WHIP:1.43
もっとも、これは直近3シーズンの藤浪が不振に悩まされ、成績を悪化させた要素が多分に加味されている。そのため、昨季終盤に数字を向上させた部分が含まれているとは言い難く、実際にここまで数字を落とすかは不透明な部分がある。しかしながら、どちらの予測も防御率が5点台で、奪三振率も高くない点は気になるところだ。
繰り返すが、あくまでこれは“予測”である。念願のメジャー移籍を果たした藤浪が一躍ブレイクを果たす可能性もゼロではない。それだけに日本球界屈指のポテンシャルを持つ29歳の予想を覆す活躍に期待したい。
構成●THE DIGEST編集部
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