プロ野球

横浜DeNA新加入の京田陽太が“遊撃手”のプライドを封印し三塁守備。レギュラー奪取へ貪欲姿勢「ポジションを奪わないと」

湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

2023.02.05

今オフに中日からトレードで加入した京田。本職の遊撃手ではなく、三塁でノックを受けた。写真:滝川敏之

 レギュラー奪取へ、28歳はなりふり構わずボールを追いかけ続けている。

 横浜DeNAベイスターズは沖縄県宜野湾市にあるアトムホームスタジアム宜野湾でキャンプ4日目を迎えた。昨年11月、DeNA左腕の砂田毅樹と1対1のトレードで中日ドラゴンズから加入した京田陽太は、今キャンプのノックで初めて三塁を守った。
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 本職はショートの京田。慣れないポジションに入り、ボールを弾く場面も時折あったが、徐々に慣れてくると、華麗なグラブさばきでファンを沸かせる場面もあった。ノック後には特守を行なった28歳は、約50分以上ボールを追いかけ続けた。

 中日で6シーズン過ごした京田は、チームの雰囲気について「少しずつ慣れてきている」と言うが、「キャンプはいっぱい(違いが)あります。ギャップを感じながらやっています」と、環境の変化にまだ戸惑いを隠せない様子だった。

 それでも、収穫を口にする。「DeNAのバッティング練習はいろんな種目のティーとか、いろんなトレーニング方法を取り組んでいるので毎日が新鮮です」と新たな刺激をもらい、充実したキャンプを過ごしているという。
 
 一方で、1年目のキャンプで守った以来という三塁については「距離感がショートと違って角度も違いますし、ボールもポロポロしてしまった」と反省を口にするが、「本当に試合に出たいので、どこでも与えられた所をやれるように。ショートへの拘りはありますけど、まずは試合に出ることが優先なので」とショートに対するプライドはあるが、いまはその気持ちを抑え、試合出場に全力を注ぐことを誓った。

 練習終了後の去り際には「僕は生え抜きではなく、トレードで来ているので。ポジションを奪わないといけない」と固い決意を覗かせた。

 ルーキーイヤーには開幕スタメンに抜擢され、149安打&23盗塁でセ・リーグ新人王に輝いた男は、ポジションを問わずグラウンドを駆け回る覚悟を首脳陣にアピールしている。

 三浦大輔監督は、この日三塁を守った京田について「可能性がないことはやらないですから。可能性があるかもしれないと思って、できないと思えばやらせないです」と遊撃以外の起用法に含みを持たせる。

 28歳の努力は結実するのか。シーズン開幕まで、新天地でのチャレンジは続く。

取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

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