「素晴らしいファンベースを持つ最高の球団であるパドレスと、このような契約をこの歳で結べたことを、本当に光栄に思います。凄いチームをつくっているなかで、自分を構想に入れて頂いた。あまり先は考えず、1日1日、自分がやってきたことが出来るようにしたい」
現地2月10日、サンディエゴにある本拠地ペトコ・パークでの会見に臨んだダルビッシュ有は、前日に締結した6年総額1億800万ドル(約142億1000万円)への感謝と抱負を語った。地元紙『The San Diego Tribune』などが伝えている。
これで42歳となる2028年までのプレーを補償される右腕は、「6年という長い契約をもらえるとは思っていなかった。正直、未だに信じられない」と率直な胸の内を語る一方で、「先のことは分からないが、行けるところまで行く。駄目になったら潔く引こうと思っている」と決意を新たにもしている。
ダルビッシュが6年契約を結ぶのは、日本ハムからテキサス・レンジャーズに加入した2012年以降で3度目となる。多士済々で入れ替わりの激しいメジャーリーグにあって、この事実が何よりも彼の凄みを物語ると言えよう。
パドレスからすれば、衰えが出てくる可能性もある36歳のベテランに、ここまでの大型契約を提示するのは小さくないリスクもあったはずである。そうしたなかで契約締結にこぎつけたのは、球団経営への配慮がにじんでいる。
というのも、今回の契約を平均年俸に換算すると1800万ドル(約23億5800万円)となるのだが、当初は年俸3000万ドル(約39億3000万円)超の3年契約が妥当と見られていた。しかし、その契約を結べば、チームの年俸総額が基準額を超えると課される「ぜいたく税」の支払いがより重いものとなる状況でもあった。
そうしたなかで想定より1000万ドル(約13億1000万円)以上も安い年俸で契約できたのは、さらなる課税を避けつつ、さらなる補強を狙うパドレスにとっても有益なものになったわけである。この点については、米放送局『ESPN』のエルダン・ゴンザレス記者も「彼の年齢を考えれば、かなりの賭けではある。でも、ここ1年で飛躍的に成長したダルビッシュを深く信頼しているメルビン監督の支持とチーム編成への影響は大きかった」と指摘している。
もっとも、当人が「凄く信頼を感じた。ここまで野球をやってきてよかった」と振り返っているように、「長くここでプレーして欲しいと思っていた」と語ったAJ・プレラーGMとピーター・シードラーオーナーをはじめとする球団首脳陣からの誘いが、ダルビッシュにとって意気に感ずるものであったのは言うまでもない。
はたして、日本球界が生んだ右腕は、42歳までのシーズンでいかなるパフォーマンスを見せてくれるのか。その仕事人ぶりがパドレスの運命を握っていると言っても過言ではないはずだ。
構成●THE DIGEST編集部
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これで42歳となる2028年までのプレーを補償される右腕は、「6年という長い契約をもらえるとは思っていなかった。正直、未だに信じられない」と率直な胸の内を語る一方で、「先のことは分からないが、行けるところまで行く。駄目になったら潔く引こうと思っている」と決意を新たにもしている。
ダルビッシュが6年契約を結ぶのは、日本ハムからテキサス・レンジャーズに加入した2012年以降で3度目となる。多士済々で入れ替わりの激しいメジャーリーグにあって、この事実が何よりも彼の凄みを物語ると言えよう。
パドレスからすれば、衰えが出てくる可能性もある36歳のベテランに、ここまでの大型契約を提示するのは小さくないリスクもあったはずである。そうしたなかで契約締結にこぎつけたのは、球団経営への配慮がにじんでいる。
というのも、今回の契約を平均年俸に換算すると1800万ドル(約23億5800万円)となるのだが、当初は年俸3000万ドル(約39億3000万円)超の3年契約が妥当と見られていた。しかし、その契約を結べば、チームの年俸総額が基準額を超えると課される「ぜいたく税」の支払いがより重いものとなる状況でもあった。
そうしたなかで想定より1000万ドル(約13億1000万円)以上も安い年俸で契約できたのは、さらなる課税を避けつつ、さらなる補強を狙うパドレスにとっても有益なものになったわけである。この点については、米放送局『ESPN』のエルダン・ゴンザレス記者も「彼の年齢を考えれば、かなりの賭けではある。でも、ここ1年で飛躍的に成長したダルビッシュを深く信頼しているメルビン監督の支持とチーム編成への影響は大きかった」と指摘している。
もっとも、当人が「凄く信頼を感じた。ここまで野球をやってきてよかった」と振り返っているように、「長くここでプレーして欲しいと思っていた」と語ったAJ・プレラーGMとピーター・シードラーオーナーをはじめとする球団首脳陣からの誘いが、ダルビッシュにとって意気に感ずるものであったのは言うまでもない。
はたして、日本球界が生んだ右腕は、42歳までのシーズンでいかなるパフォーマンスを見せてくれるのか。その仕事人ぶりがパドレスの運命を握っていると言っても過言ではないはずだ。
構成●THE DIGEST編集部
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