プロ野球

選手たちに聞いてみた! ロッテ・澤村拓一の“強烈な個性”がもたらす効果。誰よりも早く練習を開始する理由とは?

岩国誠

2023.02.19

圧倒的なオーラを放つ澤村。3年ぶりに古巣に戻ってきた。写真:岩国誠

 3年前の幕張デビュー戦。球場の空気を一気に支配したあの男がロッテに帰ってきた。

 澤村拓一、34歳。メジャーを経験し、さらにたくましさを増した男は、1月末に入団会見を行なうと、2月5日から沖縄・石垣島キャンプに合流。3月31日のシーズン開幕へ向けて、調整をスタートさせた。
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 入団会見では「僕は千葉ロッテマリーンズが勝つために来たので、それをいろんな方面から伝えられたら」と話した澤村。早朝からのウェイトトレーニングを行ない、12時前には球場をあとにする。球団公式YouTubeにアップされ、既に大きな話題となっているが、自身がやるべきことを黙々とこなすその姿は、プロとしての矜恃を示しているようにも見て取れた。

「お手本になりますよね」。そう話すのは、今年からロッテ投手陣を預かる黒木知宏一軍投手コーチ。昨年まで野球解説者として、メジャーリーガー・澤村拓一の2年間を見てきた人物でもある。

「誰よりも早くきて、トレーニングをして。結局、自分が生きてきたものをしっかり継続しているし、常に答えを出し続けるような取り組みをしている。そういうところを淡々とやり続ける姿を見て、若い人たちが何かを感じてくれたらいいなと思って見ています。雰囲気もあるし、何していても目が行っちゃう存在ですが、それが何なのか。そういう部分を感じ取って欲しいなと思います」

 また、澤村と同じく、先発とリリーフの経験があるベテランの西野勇士も、澤村のそうした姿を歓迎する。

「早朝トレーニングも日課と言っていますが、その内容はクオリティの高いものなので、すごいと思います。野球への姿勢も若手の見本になると思います」
 
 やるべきことをやるという点について、キャンプでこんなシーンを見かけた。

 2月12日、全体練習のメニューにあるキャッチボールの時間。室内で行なわれるグループに配属された澤村は、遠投の段階になるとボールを相手に投げるのではなく、その遥か上段のネットに向かって投げていた。

「3年前も遠投では距離を投げていたので、ネットへ投げるのは彼の工夫ですね」

 2017年からブルペン捕手を務める小池翔大がそう教えてくれた。与えられた環境で止まるのではなく、そこで自分のパフォーマンスを出していくために、どう工夫するか。発想の転換。早出のウェイトトレーニングだけではなく、そういった当たり前の工夫を見せることも、ひとつの刺激となっているのではないだろうか。
 
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