やはり令和の怪物はモノが違う。
ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本代表合宿は3日目を迎え、佐々木朗希(ロッテ)が初のブルペン入り。ストレートに、スライダーとフォークを織り交ぜて37球を投げ込み、まずまずの仕上がりを見せた。
昨季にNPB記録となる13者連続三振を達成した試合で、同時にパーフェクトもやってのける偉才ぶりを見せつけ、一大フィーバーを巻き起こした佐々木。ゆえに彼に対する注目度は練習であろうと小さくない。ブルペンでの投球には、ダルビッシュ有ら同僚投手たち、栗山英樹監督ら首脳陣、そしてMLBの名門ロサンゼルス・ドジャースのアンドリュー・フリードマン編成本部長も熱心に見守った。
「シューッ! バンッ!」
マスクを被った捕手・甲斐拓也(ソフトバンク)のキャッチングの良さもあったが、佐々木のボールは音からして違う。そんな剛速球を目の当たりにしたフリードマン編成本部長は、「若くて才能あふれる投手」「最高の才能の持ち主」と褒めちぎった。
もっとも、グローバル化が進む米球界にあって、鵜の目鷹の目のメジャー編成部が佐々木のクオリティーがいかほどなのかを知らないはずがない。事実、メジャースカウトも注視しているという米データ専門サイト『Fan Graphs』に掲載されている「令和の怪物」には次のように記されている。
「ササキは高校時代に伝説を作った。8日間で500球近い投球を求められたときには、12回を一人で投げ抜き、決勝の2ランホームランも打ったこともあった。その過程で彼は日本球界のレブロン・ジェームズとなったのである」
つまり彼の存在は、高校時代に至るまで海の向こうで広く知れ渡っているというわけである。ちなみに同サイトは、「ここから飛躍的に伸びる可能性を秘めている」としたうえで、次のようにも記している。
「もしも、スライダーを安定して投げられるようになれば、ササキはメジャーの先発投手と比較しても圧倒的な存在感を示すことができる。アマチュア時代に大量投球を要求された彼は、まだ体格が細身で、球威もあることから、健康面を心配するスカウトや幹部もいるようだ」
現在21歳の佐々木がメジャー移籍を果たすのは、MLBの規定で大型契約を得られるようになる25歳を超える27年以降になる可能性が高い。そう考えれば、まだまだ成長のための時間はある。
米球界も注目しているWBCで、才能の片鱗を見せつけられるかは、佐々木にとって今後に向けた試金石となる。いずれにしても、特大のポテンシャルを秘める彼にとって、今大会はおそらく通過点に過ぎない。
文●羽澄凜太郎(THE DIGEST編集部)
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ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本代表合宿は3日目を迎え、佐々木朗希(ロッテ)が初のブルペン入り。ストレートに、スライダーとフォークを織り交ぜて37球を投げ込み、まずまずの仕上がりを見せた。
昨季にNPB記録となる13者連続三振を達成した試合で、同時にパーフェクトもやってのける偉才ぶりを見せつけ、一大フィーバーを巻き起こした佐々木。ゆえに彼に対する注目度は練習であろうと小さくない。ブルペンでの投球には、ダルビッシュ有ら同僚投手たち、栗山英樹監督ら首脳陣、そしてMLBの名門ロサンゼルス・ドジャースのアンドリュー・フリードマン編成本部長も熱心に見守った。
「シューッ! バンッ!」
マスクを被った捕手・甲斐拓也(ソフトバンク)のキャッチングの良さもあったが、佐々木のボールは音からして違う。そんな剛速球を目の当たりにしたフリードマン編成本部長は、「若くて才能あふれる投手」「最高の才能の持ち主」と褒めちぎった。
もっとも、グローバル化が進む米球界にあって、鵜の目鷹の目のメジャー編成部が佐々木のクオリティーがいかほどなのかを知らないはずがない。事実、メジャースカウトも注視しているという米データ専門サイト『Fan Graphs』に掲載されている「令和の怪物」には次のように記されている。
「ササキは高校時代に伝説を作った。8日間で500球近い投球を求められたときには、12回を一人で投げ抜き、決勝の2ランホームランも打ったこともあった。その過程で彼は日本球界のレブロン・ジェームズとなったのである」
つまり彼の存在は、高校時代に至るまで海の向こうで広く知れ渡っているというわけである。ちなみに同サイトは、「ここから飛躍的に伸びる可能性を秘めている」としたうえで、次のようにも記している。
「もしも、スライダーを安定して投げられるようになれば、ササキはメジャーの先発投手と比較しても圧倒的な存在感を示すことができる。アマチュア時代に大量投球を要求された彼は、まだ体格が細身で、球威もあることから、健康面を心配するスカウトや幹部もいるようだ」
現在21歳の佐々木がメジャー移籍を果たすのは、MLBの規定で大型契約を得られるようになる25歳を超える27年以降になる可能性が高い。そう考えれば、まだまだ成長のための時間はある。
米球界も注目しているWBCで、才能の片鱗を見せつけられるかは、佐々木にとって今後に向けた試金石となる。いずれにしても、特大のポテンシャルを秘める彼にとって、今大会はおそらく通過点に過ぎない。
文●羽澄凜太郎(THE DIGEST編集部)
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